市民と市職員が共に市政を考える

岡山県自治体問題研究所
岡本芳行(岡山市職員労働組合 副中央執行委員長)


2015年9月5日(土)と6日(日)の2日間、「私たちのまち・岡山を考える市民のつどい2015」(以下「つどい」)が開催され、5日の前夜祭では567名、6日の「つどい」当日には記念講演に270名、5つの分科会に275名が参加する盛会となりました。

実行委員会も学びの場

「つどい」は、「市民と市職員が市政と市民生活について共に考え、広く語り合う場」として開催をつづけ、今回で23回目です。この間「つどい」は、①市民と市職員が通年的に力を合わせ、自らも豊かになる“自由の学校"として、個別の課題だけでなく岡山市政全体について議論し学び合える場。

②前夜祭は、一貫して日本映画を取り上げ、劇場・ホールでみんなで一緒に観ることにこだわり、また、映画上映だけでなく、映画関係者を招いて映画に込められた願いや、伝えたいメッセージを話してもらうなど、心が豊かになる文化的な取り組みを重視する場。

③住みつづけたい岡山市であってほしいと願う人なら、立場や意見の違いを越えて幅広く参加できる自由な“広場”として、その日・その場で議論するだけでなく、市の担当部局との懇談などを通じて具体的に市政に影響を与える運動への契機の場。

④真に市民が「市政の主人公」となる市政の明日を展望した時、その基礎となる市民のネットワークと政策づくりにつながる場。として発展してきました。

実行委員会参加団体を広く募り、今年は7回の実行委員会を経ての開催となりました。実行委員会は、その時々の市政を巡る情勢や各団体が取り組んでいる内容などの共有も図ることで、「会」そのものが学びの場にもなっています。

今年の「つどい」

こうした議論を経て、今年の「つどい」は「“つながる”をキーワードに、平和で住みつづけたい岡山市をつくろう」をテーマとし、5つの分科会とともに記念講演は秋山豊寛さん、前夜祭はドキュメンタリー映画「みんなの学校」の上映を行うこととしました。

すべての子どもに居場所がある学校づくりを目指す大阪市立南住吉大空小学校の取り組みを追い続けた「みんなの学校」上映は、教育に対する関心の高さからか、2回上映とも満席となりました。「こんな学校が本当にあるの?」といった感想が多く寄せられ、岡山市の教育を見つめ直すきっかけになり、翌日の「つどい」分科会での問題提起にもなりました。

日本人初の宇宙飛行士であり、農業を営みながら、ジャーナリストとして幅広く活動されている秋山豊寛さんの記念講演は、自身の東日本大震災の被災体験から、宇宙、平和など広範囲にわたり、元TBSの報道マンであった秋山さんらしくユーモアと説得力にあふれたお話で、笑いの中からいくつもの問題提起を感じられる内容でした。

いっそうの発展をめざす「つどい」

2013年の21回開催後、実行委員から「つどい」をさらに発展させていくための様々なアイディアが出されました。そのひとつとして、参加者同士の交流を深める「交流のひろば」を、去年から昼休みを利用して開催しています。今回も、NPT再検討会議NY行動の報告や、被災者支援についてのミニ講演会、福祉施設等の出店・販売など、さまざまなテーマで参加者同士が触れ合える企画となりました。

分科会も、「議論する時間がもっとほしい」という実行委員の意見を踏まえ、タイムスケジュールを工夫して昨年より30分拡大し、①教育子育てを考える ②保健・福祉・医療を考える@女性を取り巻く社会情勢を考える ③まちづくりを考える ④平和を考える各分科会でさまざまな討議が行われました。また、分科会は「つどい」当日、同じ時間帯で開催されるため、複数の分科会に参加することができないことから、後日、「報告会」として各分科会で議論された内容を共有する取り組みも昨年から行っています。2015年は10月12日に開催し、45人の参加がありました。

第3分科会では、当日の議論を要望書にまとめ、すでに岡山市の担当部局へ要望を行うなど、「つどい」当日の議論で終わらず、議論を活かす取り組みが各分科会から報告されました。参加者からは、さらに発展的な意見も出されるなど、次回の「つどい」に向けて期待も寄せられています。