ローカルトピックス - 2008年1月
月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2008年1月号より。
各地米軍再編交付金をめぐって
在日米軍施設受け入れの見返りに支給される米軍再編交付金から、神奈川県座間市や山口県岩国市など七自治体がはずされた。米軍再編交付金は、〇七年五月に成立した米軍再編推進法に基づく措置で、今後一〇年間で一〇〇〇億円を交付するもの。事業停滞のときは交付金を減額するなど米軍再編への協力を促す仕組みをもつ。
「もともと米軍再編受け入れを前提にしているので外されても驚かないが、騒音など住民対策のメーンになる岩国市が外れ、周辺自治体が指定される仕組みは合理的なのか」と岩国市長。庁舎建設問題もかかえるが「アメにとびつくために米軍再編に対する考え方をかえることはない」。米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間は、相模原市と座間市にまたがるが、アメとムチがはっきりでた。名護市は、「きわめて遺憾で納得できない」と声明をだした。普天間基地移転には反対していないものの、辺野古沿岸部の建設には反対で、より沖合いへの建設を求めている。
一方、「反対」を明確にしているわけではない鹿屋市が不交付になったのは、鹿屋飛行場の再編計画そのものが具体的に明らかになっていないため。(中日新聞11/7、南日本新聞11/6)
徳島県内各地公金収納手数料をめぐって
一〇月一日の郵政民営化にともない発足した「ゆうちょ銀行」の公金収納手数料をめぐり、県内の自治体が苦悩している。
公金収納手数料とは、郵便局で受け取った自動車税や固定資産税などを、各自治体の指定金融機関に送金する対価として支払われるもの。郵政公社の場合は、郵便為替法にもとづき手数料が定められていたが、民営化にともない、ゆうちょ銀行は一般の銀行と同じ扱いになったものの、ゆうちょ銀行側が、これまでと同額の手数料を要求している。一般の金融機関は、公金収納手数料をとっていないことから、自治体側は無料の扱いを求めている。これまでの公金収納手数料は、収納額の〇・一%に二〇円を加算した額で、県の場合、〇六年度は約四八〇万円になるという。(徳島新聞11/15)
大阪府豊中市「夕張式」やり繰り発覚
豊中市など四市で、公社や三セクに対する単年度の貸付金を、翌年度の予算で融資して返済してもらうという会計手法を用いていたことが明らかになった。出納整理期間中のことで、ただちに違法とはいえないものの、夕張市で財政破綻を隠すために使われていたいわくつきの手法である。
豊中市の場合は、土地開発公社に対し、〇五年度に市は一六億円を貸し付けた。土地開発公社は、出納整理期間中の〇六年四月に同額を返済したが、同日には、市から〇六年度分の貸付金として一三億円貸付がある(他に三億円の補助金が支出される)。〇六年度中に市は二〇億円を追加融資し、〇七年四月に三三億円を返済をうけたが、このときも、〇七年度分として二六億円の貸付金を受けている(七億円の補助金も受けている)。
豊中市は、〇五年度は一億円の黒字、〇六年度は四億円の黒字だったが、このような操作をしなければ、二年連続で一五~三〇億円の赤字決算だったことになる。
寝屋川市、箕面市、河内長野市でも同様の操作を行っていたことが府の調査でわかった。箕面市の担当者は「金融機関から借りれば利子が発生する。市民の負担が増えることが理解されるか」、豊中市の担当者は「他にもっといい方法があれば教えてほしい」と話している。(朝日新聞北摂版10/16)
広島県内市町振興基金の廃止をめぐって
広島県が県内の市町村の基盤整備に活用してきた市町振興基金の廃止方針を打ち出したことに、反響がおきている。基金は現在一六五億円の残高があるが、原資は、県七三億円、市の寄附三〇億円、貸付利子や運用利子が六二億円となっている。市の寄附は、宮島競艇や福山競馬、広島競輪などの収益金をそれぞれの市が寄附したもので、当該市は返還を希望している。(中国新聞11/3)
山梨県内ガソリン急騰でも閉鎖
ガソリン価格の値上げで注目をされている給油所(ガソリンスタンド)が、県内であいついで閉鎖されている。今年度は九月までの上半期で、〇六年度一年間を上回る一三店が閉鎖した。もともと薄利多売の構造不況業種のうえ、一円単位で競争も激しく、セルフ式に切り替えるための設備投資費(三〇〇〇万円)もなかなか捻出できないという。(朝日新聞山梨版11/3)
茨城県内公共事業減の影響
賃金の不払いトラブルが、茨城県内の建設業界で多発している。茨城労働局のまとめでは、建設業界はこの一〇年業種別のトップ、全件数の二割の年間一〇〇件程度が発生しているという。 全建総連茨城県連合会によると、建設業界独特のピラミッド構造から、下請け業者が倒産すると、孫請け以下の業者が資金繰りに行き詰まり、賃金の支払いにも窮するようになるという。さらに、工事代金が約束どおり支払われないトラブルも多くなっているという。公共事業の縮減で業界全体が冷え込む中。こうしたトラブルはあとをたたない。(茨城新聞11/4)
兵庫県三田市正社員化助成利用ゼロ
厚生労働省が実施している母子家庭の就労支援事業のうち、正社員化にあたっての企業への助成金は、三田市内では利用がなかったことが明らかになった。常用雇用転換奨励金制度がそれで、正社員として雇用した企業に三〇万円が支給される(国庫補助金は二二・五万円)。市は、「パートを正社員化すると、賃金アップや社会保険などもあり、一人三〇万円ではつりあわないのでは」と分析する。一方、母親の資格取得を支援する教育訓練給付金は好調で、〇五年度は七人に対し四〇万円、〇六年度は八人が利用して八〇万円の支給をうけた。(朝日新聞三田版10/24)
奈良市食材費高騰で弁当給食ピンチ
奈良市が〇六年からはじめた中学校の選択給食が厳しい秋にあえいでいる。天候不順による食材費の高騰に加え、受注の伸び悩みもあって、現行の料金では制度を維持できなくなっている。
奈良市の中学校給食は、二一校のう五校は、自校か近くの小学校との親子方式で実施されており、残りの中学校では、弁当持参か、チケットを購入し業者配送の弁当を受け取る選択方式で順次実施されることとなった。一食三三〇円。しかし注文は、予定していた三割を大きく下回り一〇~一五%しかないという。さらにこのところの食材費高騰が追い討ちをかけ、給食費の値上げか、配送費への公費負担などの検討をはじめた。(奈良新聞11/7)
大分県由布市お母さん食堂人気
大分県由布市湯布院のNPOが「お母さん食堂」を開設し、地域の子どもたちのために、地産池消の食材をつかった料理を一食三〇〇円で提供している。学校給食がなく夏休みなど長期の休み期間中に食生活が乱れ、新学期に体調を崩す子どもがいると聞いた地元女性らがはじめた。学校のない土・日、休日、長期休暇の期間に営業している。共働きの家族が利用しているほか、さいきんでは、一人暮らしのお年よりもよく訪れるという。(朝日新聞大分版11/13)
山形県庄内町よろず相談引き受けます
山形県荘内地区の、建設業者や医療、福祉関係者一〇社がネットワークを組織し、除排雪や住宅改築、介護など、生活に関するさまざまなニーズに対応するサービスをはじめた。相談したら必ず仕事をお願いしなければならないのかという不安に答えるため、最初は常駐のアドバイザーが相談に無料で応じ、だいたいの料金の目安を教え、そのうえで事業者を紹介する。関係者は庄内地区一円に広げたいとしているが、当面は庄内町の地域が中心。(山形新聞11/1)
富山県高齢障害者への県単補助の行方
六五歳以上の重中度障害者で老健制度に加入している人に対して県単独の医療費助成制度がある富山県で、〇八年四月以降の後期高齢者医療保険の導入が波紋を広げている。後期高齢者保険制度は、七五歳以上では全員加入だが、六五~七四歳の人は任意加入となる。ところが、加入に際しては保険料負担があることから、加入を見送る人がでることが予測される。県の制度は、老健制度をひきつぐ後期高齢者医療保険加入が条件であり、このほど、障害者団体が、加入する医療保険にかかわらず助成制度を続けてほしいと要望した。(北日本新聞11/10)
自治体政策情報
新潟市空洞化歯止め
新潟市は、〇八年度から病院や保育園、多目的ホール、専門学校など公共性の高いテナントの入居を前提に、市内中心部で新たに建築物を建てたり空きビルの改修を計画する事業者に対して助成を行う(面積用件として一〇〇〇平方㍍、地上三階建て以上)。
宮崎市飼い犬トラブル防止
宮崎市保健所は、むだぼえ防止器の貸し出し(一週間)を行う。むだぼえ防止器は首に装着し、犬がほえると、犬がいやがるものの無害のガスが噴出する。
和歌山県漁業研修会開催
和歌山県は、漁村の活性化を目的に、団塊世代を対象にした研修会をもつ。漁業担い手事業は〇五年から行われているが、団塊の世代に絞って、実地研修などを行う。
土佐町食事・運動で糖尿病改善
高知県土佐町で、フィールド調査に取り組んでいる医師チームは、糖尿病集団検診の結果を追跡調査し(六〇歳以上の二〇六人が対象)、前年の検診で行った運動や食事などの生活指導の効果がでていることがわかった。
島根県病院間で医師相互派遣
島根県隠岐の島町の病院と松江市内の病院で、医師の相互派遣研修がスタートする。隠岐からは県の負担で養成した自治医科大学卒業生、松江市内からは、へき地医療未経験の医師を二か月間、相互派遣する。
石川県仕事と育児両立で企業訪問
石川県子ども総合条例に基づき、来春から従業員一〇〇人以上の県内中小企業にも仕事と育児両立のための事業主行動計画が義務化されるが、策定の意識の低いと思われる一一三社(県のアンケートに対して未回答)に対して、一社一社訪問して協力をお願いする。
吉野ヶ里町自閉症児をサポート
佐賀県吉野ヶ里町の三田川町では、保護者らが、自閉症児などを支援するボランティア活動に取り組んでいる。特別支援学級の児童が体育や図工などの授業を普通学級でうける際に、マンツーマンでサポートする。日誌もつくり、月一回の例会で情報共有している。
武蔵野市メンタル相談を出前講座
武蔵野市では今年度から市民こころの相談室を開設し、メンタルヘルスの相談や不安の市民相談に応じている。予約すれば、面接での相談もできる。相談員や外部の専門家が、企業や病院、学校、市民サークルにでかけていく出前講座を実施し、相談室の周知をはかっている。
知多市町内会に「一般財源」
愛知県知多市は、一〇小学校区単位のコミュニティに毎年交付している補助金を、〇八年度から使い道を限定しない交付金に切り替える。これまでも交付金かを進めてきて、全市計四〇〇〇万円の補助金の六四%は敬老会や環境対策など使途が限定されている。
赤穂市全職員に倫理行動調査
今年度にはいって職員の不祥事の続く兵庫県赤穂市は、全職員一〇〇〇人を対象に、職員倫理行動調査を行う。所属や氏名を明記して、利害関係者から「接待をうけたことがあるか」「旅行やゴルフをしたことがあるか」「利害関係者ではない業者から繰り返し接待を受けたことがあるか」などの質問に答える。
大井町職員が避難所体験
神奈川県大井町では、職員や消防団、自治会の防災担当者らが避難所に泊り込み、避難所を実際につかってみての問題点をさぐる。
宮城県防災条例で企業防災士
宮城県は、近く制定する防災条例で、企業防災士の導入を検討している。企業防災士は、県が実施する防災についての講習をうけ、企業内で防災の取り組みをすすめるリーダーとして想定されている。
愛媛県県消防、一本部制へ
愛媛県は、県内一四消防本部の一本部制を目指すことを決め、市町側に打診した。消防庁の〇六年七月の指針では、人口三〇万人以上を目安に再編を求めている。愛媛県の人口は約一五〇万人。地域的つながりの強い東中南予の三本部制も腹案として残る。
以上、月刊「住民と自治」2008年1月号より。