ローカルトピックス - 2008年11月
月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2008年11月号より。
北海道由仁町市場化テストでワーキングプア
由仁町は七月から三川支所の窓口業務を札幌市内のビルメンテナンス業者に委託した。契約額は年間三七八万円で、直営で行った昨年度の五五%。業者が、配置する社員二人の賃金を、北海道の法定最低賃金・時給六五四円にしたからだ。これでは月の手取りは一〇万円前後にしかならない。担当役員は「今後の受託に影響すると考え、採算割れぎりぎりの価格で応札した」と話す。
町が選定にあたって活用したのが、「市場化テスト」と呼ばれる官民競争入札。由仁町では、官側から町住民課が参加したが、価格は業者より四〇万円近く高かった。町は「市場化テストは役場の仕事のやり方を見直す機会になる。ただ、町財政は地方交付税の落ち込みと借金の返済で、年間二億円の経費節減が必要。人件費を減らしたいのが本音だ」(まちづくり室)と明かす。 (北海道新聞9/5)
滋賀県豊郷町豊郷小旧校舎を改修
解体か保存かで議論になり、保存することになった滋賀県豊郷町の豊郷小の旧校舎について、同町は旧図書館、旧講堂とともに耐震、改修工事を行う。本年度中に完成予定。一階を町立図書館、子育て支援センター、町教委事務局などに▽二、三階の教室を建設当初の姿に修繕、見学用に▽旧講堂は町民の集会場にする。完了後は登録 有形文化財に申請する予定。(京都新聞9/11)
京都市火災報知器、誰が付ける
住宅用火災報知器(住警器)の設置が義務づけられ、京都府内など多くの自治体では、二〇一一年五月末までに既存の住宅でも台所や寝室などに設置しなければならない。京都市は、学区ごとの自治防災会が地域住民から購入希望者を募り、大量に一括購入する「共同購入」を勧めてきた。しかしアパートやワンルーム・マンションなど賃貸の共同住宅では未設置が多いまま。大きな理由は、誰が住警器を設置すべきなのかあいまいなため。消防法では「関係者」となっており、居住者か所有者か管理会社か、明確でない。
市消防局は、賃貸共同住宅の所有者の多くが管理を管理会社に委託していることに着目し、複数の物件を管理している管理会社に呼びかけ、所有者への働きかけと販売会社との交渉を依頼している。住警器の費用は所有者の負担となるが、大量に共同購入することで安価で購入できるメリットがある。(京都新聞9/7)
岩手県内通院客車両を新設
第三セクターIGRいわて銀河鉄道は、一一月から県北地域から盛岡方面に通院する乗客を対象とした「地域医療ライン」を新設する。平日の金田一温泉―盛岡駅間の二便に優先車両を設け、乗降時の手助けなどを行う介助員を配置する。IGRが八月下旬に実施した調査では、「盛岡への通院客」は全乗客の約一三%を占めた。鉄路以外に自家用車などを利用し通院している人もあり地域医療ラインの潜在的需要は高いと見込まれる。(岩手日報9/12)
兵庫県伊丹市ほかこども急病センターが好影響
四月に伊丹市内に開設された小児医療の一次救急施設「阪神北広域こども急病センター」(伊丹、宝塚、川西市と猪名川町が共同運営する一次救急施設)が、三市一町の小児救急医療に好影響を及ぼしている。夜間、休日の診療を専門にし、風邪や発熱など入院や手術を必要としない軽症患者の“駆け込み寺"として機能。電話での医療相談も始め、受診の必要があるかどうかなどを助言する。センターの存在が親に安心感を与え、この地域で小児医療に携わる医師の負担軽減にもつながっているという。(神戸新聞9/5)
秋田県内県工事の五三%が赤字
公共事業の減少で厳しさが増している経営環境を改善しようと、秋田県建設業協会は八月、受注業者が適正な利益を得られるように発注方式を見直すことを県に要望した。要望書には、経営コンサルタントが会員企業にアンケートして分析した報告書を添付。そこからは「県工事の五三%が赤字」という厳しい現実が浮き彫りとなった。(秋田魁新報9/6)
兵庫県香美町小規模集落に町職員配置
兵庫県の「小規模集落元気作戦」事業に、香美町内の二集落がモデル集落に選ばれているが、町は連携して、二〇カ所全ての小規模集落にそれぞれ担当職員を配置し、集落の「一員」となって住民のお年寄りらと対話を重ね、打開策を探る。担当職員はこれまで各集落を訪れて住民らと対話を重ねたうえで、区長らに集落ごとの実態や問題点、今後の打開策の提案などのアンケートをし、回収した。九月の下旬以降に各地区の担当職員や区長らが集まって連絡協議会を立ち上げてアンケートの集計結果を発表し、専門家の講義を受けて意見交換などをする。その後は他集落の現状や対策なども参考にしながら、それぞれの集落ごとの打開策を住民、職員が共に考えていく。(朝日新聞但馬版8/29)
埼玉県湿地買い取り水辺環境保全
埼玉県は多様な植物・生物がすむ都市周辺の水辺空間や平地林を次世代に引き継ぐ「まちのエコ・オアシス保全推進事業」の初めての保全候補地に、入間市野田の「谷田の泉」と所沢市山口の「菩提樹池周辺緑地」の二カ所を決め、彩の国みどりの基金を活用して本年度内に買収し、公有地化する。
候補地は自然環境や開発動向、地域による保全活動を考慮して選定。一カ所あたり五〇〇〇―一万平方㍍の規模で、二〇一〇年度にかけて、さらに四カ所程度を買い取る方針。 (埼玉新聞9/6)
自治体政策情報
兵庫県集落孤立対策進まず
災害時に道路の寸断などで孤立する恐れがある兵庫県内の集落は、今年六月現在で四〇六集落に上ることが県の緊急調査で分かった。通信手段や備蓄、避難施設の確保などは〇五年の同様の調査と比べ、ほとんど進んでいなかった。県は近く庁内で孤立集落対策のプロジェクトチームを発足させる。
赤穂市定住自立圏に応募
兵庫県赤穂市は政府の定住自立権構想のモデル地域に応募した。上郡町、岡山県備前市と協定を結び、医療や観光、交通などで連携を図る。
岩手県自動車産業新戦略実現へ
岩手県は、部局横断で戦略的に自動車関連産業集積に取り組むため、県自動車関連産業振興本部を立ち上げる。県は二〇一五年に東北で自動車生産一〇〇万台を目指す新戦略を七月に策定。▽技術開発支援機能の充実▽開発・設計機能を重視した戦略的企業誘致▽企業ニーズに即応した人材育成などを柱として打ち出した。
富士見町学費補助で産業振興
長野県富士見町は来年度から、町内の企業で働いている人や、町内に就職する意思のある町民を対象に、通学する地元の技術専門校や社会人向け大学院課程などの学費の一部を補助する。補助額は半額程度を検討しており、専門の知識や技術を持つ人材を育てて町内の産業を活気づかせ、若者の就職も促す考え。
岐阜県ドクターカー発車
多治見市にある岐阜県立多治見病院が、全国初となる、重症患者のもとに医師や看護師を派遣するドクターカーの運用を始めた。同車両は、消防や病院からの通報に応じ、救急車では対応できない重症患者に対し、現場などで治療を行う医師らが運転する。
秋田県稲わらで高濃度エタノール
秋田県総合食品研究所の研究グループが、稲わらなどセルロース系バイオマスからサトウキビ並みの濃度のバイオエタノールを生産する技術を開発した。五%までが限界とされていたが、県内の山林で発見した酵母を使った新たな発酵システムで、二倍の一〇%強まで濃度を上げることに成功した。
島根県「脱温暖化の郷」づくり
島根県中山間地域研究センターを中心とする研究チームが、二酸化炭素削減、エネルギーと食料の自給、農村への人口移動などを複合的に進めるプロジェクト「中山間地域に人々が集う脱温暖化の郷づくり」に挑む。浜田市弥栄町をモデル地区として、環境と共生する社会システムを構築。資源を額国に依存せず、地域内で循環させる持続可能な仕組みを提案する。
高知県木の家二酸化炭素固定量認証
高知県は、県産材を使った木造家屋が固定する二酸化炭素量を認証する専門委員会を設置し、一〇月までに認証制度を創設する。温暖化防止への貢献度を建築主に見える形で示すことで、県産材の利用促進を狙う。成長過程で二酸化炭素を吸収した木材は燃えたり腐ったりしなければ二酸化炭素を長期間固定し続ける特性から、県は木造住宅に着目した。
横浜市敷地の一〇%緑化義務づけ
横浜市は、敷地面積五〇〇平方㍍以上の建物を新・改築する際、一〇%以上の緑化を義務づける条例案を九月定例議会に提出。違反した場合は一年以下の懲役、五〇万円以下の罰金を科すことができる。開発業者が市内でマンションやビルなどを建てる際、敷地面積の一割以上を樹木や芝生、池などで緑化しなければならなくなる。
三田市先輩ママが訪問サポート
兵庫県三田市は「こんにちは赤ちゃん事業」を始める。先輩ママたちが、生後三カ月の乳児のいる家庭を訪れ子育ての悩みを聞き、育児に役立つ情報を紹介する。国の次世代育成支援対策事業で、無料。
鳥取県学力調査非開示は予算削減
鳥取県知事は来年度予算編成で全国学力調査結果の開示姿勢を判断材料に、少人数学級の維持に必要な市町村への予算配分に差を付ける方針を示した。
京都府幼児用ヘルメット普及へ
京都府が四月から条例で着用を義務化した幼児向け自転車用ヘルメットについて、府交通対策協議会が普及モニターを募集している。応募者には無償で幼児用ヘルメットを提供し(先着一〇〇〇名)、着用をアピールする「京のヘルメットひろめ隊」を務めてもらう。
以上、月刊「住民と自治」2008年11月号より。