ローカルトピックス - 2008年5月

月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2008年5月号より。

青森県核燃税、財政に影響

年々比重を増しつつある核燃関連の税収が県財政をゆさぶっている。核燃税は、青森県六ケ所村の再処理工場に搬入される使用済み核燃料などを対象に課税されるもので、九七年には一四億円の税収だったが、搬入増にともなって〇六年度には一四九億円になり、個人県民税(一七二億円)と比肩する規模になった。ところが、〇八年度の予算で見込んだ歳入は一一一億円。中越沖地震により東京電力柏崎刈羽原発の操業が停止した影響で使用済み核燃料の搬入量が減る見込みだからという(〇七年度の税収も減収している)。

また、総額一八〇億円にのぼる核燃料サイクル交付金についても、県と市町村であつれきを生んでいる。むつ市の中間貯蔵施設などを対象に交付されるもので、立地する三市町村を含む周辺一五市町村に三分の一の六〇億円、残りを県が受け取る配分案を県が示し、「地域振興計画」の提出を求めたところ、周辺市町村からは半額の配分を想定した計画が提出されている。(朝日新聞青森版2/22)

神奈川県大井町本社移転で税収減

大井町内にある生命保険会社が、その本社機能を東京都内に移すことにともない、町では対策本部をもうけて対応に苦慮している。生命保険会社の登記上の本社は都内にあるが、四〇年ほど前から事務や電算システムなど本社機能は大井町内にあり、一八階建てのビルに三一〇〇人が働いている。同社からは一月中旬に、約二〇〇〇人の人員と機能を都内に移転させ、本社機能ビルと敷地の売却先を探している、と通告されたという。町税の二割・七億円程度が生命保険会社の分として見込まれており、地方交付税の不交付団体もある。対策本部では、大幅な税収減少から地方交付税の交付団体になる可能性もあり、総合計画の見直し、施設利用料のアップにつながりかねない、としている。(朝日新聞湘南版2/29)

兵庫県朝来市、豊岡市地域振興基金運用に差

合併市町村に対し合併特例債による借り入れで地域振興基金が積み立てられているが、その「運用」に差がでている。朝来市では、二三億円の基金があり、信託などの方法で運用し、約一億円の運用益を合併地域の環境整備や振興のための経費として使っている。一方、豊岡市では、四〇億円の基金があるが、ほぼ三分の一の一三億円を一般会計に「繰り替え」しているため、運用益も一億円程度と本来の額より少なくなっている。(朝日新聞但馬版3/8)

千葉市住宅公社への貸付、棒引き

千葉市は市住宅供給公社に貸した二〇億三〇〇〇万円の請求権を放棄する議案が審議中である。問題となっているのは、九三年から実施された特定優良賃貸住宅事業で、中間所得者むけに比較的広い賃貸住宅を整備するもの。土地・住宅のオーナーを二〇年契約で募集し、国と自治体が家賃補助して入居者を募集する仕組み。当初こそ入居が多かったが、バブル崩壊後の地価下落に伴い周辺の民間住宅のほうが割安感があり、入居者が減り、欠損金がでるようになった。市は、入居条件緩和など空家対策を行いつつ、九八年度から赤字補てんを行い、二〇億円にまで膨らんでいる。(千葉日報3/13)

沖縄県米軍基地住宅の実態

米軍兵による暴行事件を契機に「基地内住宅だけでは不十分」だとして米軍関係者が基地外に居住していることが問題になっているが、日本政府が思いやり予算で建設した米軍住宅に二割程度の空き家があることが明らかになった。社民党議員の質問主意書に対する政府答弁で明らかになったもので、八一三九戸の基地内住宅のうち一六五五戸が空き家になっている。沖縄県内では、二〇〇二年以降の五年間で三〇二億円抱えて七八〇戸の住宅が建設されているが、膨大な税金が無駄になっている。外務省によると「改装中などの理由で空き家になっているケースもある」としているが、その件数は明らかになっていない。(琉球新報3/8)

和歌山県有田川町マイナスで落札

有田川町が資源ごみを収集、処理する業務について指名競争入札を実施したところ、年間一二万円を業者が支払うという「マイナス額」で応札した業者が落札した。予定価格は一〇七八万円で、最低制限価格はなかった。業者は、「回収した資源ごみの売却益で諸経費を引いても収益がある」と話している。これまでは随意契約で、〇七年度は一一七〇万円で契約していた。(朝日新聞和歌山版2/27)

埼玉県熊谷市受動喫煙の実態調査

熊谷市は、市内全小学校の四年生の希望者を対象に、受動喫煙の検診を行った。約七〇%の児童が希望し、尿から高濃度のニコチンが検出された児童が全体の一二%にのぼった。喫煙者が父親のみのケースより、母親のみ喫煙のケースが高い値となり、子どもと接する時間が長いことの影響が再確認された。市教委は、小児科受診を勧めるとともに、家庭内での分煙・禁煙を呼びかけている。(埼玉新聞3/4)

静岡県焼津市時間外診療を自費で

焼津市立総合病院は、夜間など通常時間以外の診察について「時間外加算」をとることとし、四月から自費負担とする。緊急性や重篤性のある患者は除く。これまで時間外加算には健康保険が適用されており、「仕事が忙しい」として日中ではなく夜間に受診する患者も多かったという。(静岡新聞3/8)

兵庫県西宮市町並みづくりの指針

西宮市内の住宅地(四六〇世帯)で、緑豊かな町並みを守るためのガイドラインづくりが進んでいる。この住宅地は、一九五九年から、一区画五〇〇平方㍍以上で分譲が始まったという。七七年には住民らがまちづくり憲章を策定、〇三年には地区計画も定められた。地区計画には、敷地面積は原則三三〇平方㍍以上、建物は境界から一・五平方㍍以上はなす、道路に面するところは生垣にすることなどが定められている。今回の住民によるガイドラインづくりでは、ガレージなどの壁面緑化など緑を確保するのほか、道路から建物への通路は自然素材で舗装することなどが盛り込まれる予定。実効性を担保するために「保証金」制度も検討されている。(朝日新聞阪神版3/3)

各地処分場破たんの余波

国内最大規模の廃棄物が違法搬入され、経営破たんした福井県敦賀市の民間最終処分場に関連し、最終処分場に焼却灰を搬入した全国六〇の自治体に、敦賀市が対策工事の負担金を請求した問題が波紋を広げている。山梨県内では、甲府市などが排出者としての責任として支払いに応じる一方、「うちは適正処理しているのに、連帯責任はない」としている自治体もある。処分場は、許可量の一三倍、一一九立方㍍のごみが搬入され、環境基準を超える浸出水が確認され、総工事費一〇二億円のうち二〇-億円を敦賀市が負担して対策工事を行っている。(山梨日日新聞3/4)

自治体政策情報

真鶴町公用車でコミュバス

神奈川県真鶴町では、民間のバス会社がはいらない傾斜地などを走るコミュニティバスを運行する。職員が運転し、道路運送法上の事業許可はとらず、公用車の送迎扱いとして行う。

佐賀市ほか予防接種を広域で

佐賀市など八市五町は、日本脳炎などの予防接種について、従来は、住んでいる自治体内の医療機関に限られていたのを、どこの医療機関でも受けられるようにする。

中国地方BSE検査を継続

中国地方の五県と広島市、岡山市、福山市は、七月末で国の補助が打ち切られるBSE(牛海綿状脳症)検査について、食の安全を求める消費者意識への配慮から、継続する。処理頭数の多い福山市では、八月以降の二〇カ月以下の牛の処理を一六〇〇頭と見込み一三〇万円を予算計上した。

笛吹市病児保育に看護師派遣

山梨県笛吹市は、病気の治療中や回復期の子どもの保育のため、看護師や保健師が家庭訪問を行ったり、留守家庭での看護を行う。医療機関の診療をうけた後、市に申請する。平日、日中に限る。利用料は一日あたり二〇〇〇円。

宇治市障害者作業所に支援

京都府宇治市は、障害者自立支援法にもとづき地域活動支援センターに移行する共作業所について、家賃や水光熱費、常勤職員の給与などの補助とともに、通所者の通所日数に応じての報酬を支払う。

尾道市海底ごみ回収に補助

広島県尾道市は、市内の三漁協の底引き網漁船が引き揚げたごみを、手数料を払って引き取る。容器包装プラスティックとペットボトルが対象。

埼玉県盛土造成地を把握

埼玉県は、地震発生時に崩落する恐れのある盛土で造成した宅地の位置や数を把握する実態調査を行う。〇八年度は、県北、西部の五自治体を中心に、戦後直後のGHQ撮影の航空写真や現況図などから、三〇〇〇平方㍍をこえたり急傾斜地の盛土を把握する。

山梨県合併業者に入札優遇

建設業者の経営環境が厳しさを増す中、山梨県は、合併で経営基盤を強化したり、地域貢献度が高いと判断した業者に、入札参加時点での評価を加点する。

大分県文化財保護に里親

大分県教委は、貴重な文化財を後世に伝えるため、文化財里親制度を設ける。たとえば、文化財が建物の場合、除草や清掃などを行う地域住民のボランティアを「里親」として募る。

海老名市消防団員確保

神奈川県海老名市は、消防団OBを「消防協力員」として委嘱、災害時に現場に駆けつけてもらう制度をはじめる。消防車にも乗車して、消火活動も行う。

以上、月刊「住民と自治」2008年5月号より。

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