ローカルトピックス - 2008年8月

月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2008年8月号より。

静岡県外国人の税徴収、苦悩

県内に住む外国人の税金滞納に、自治体が頭を悩ませている。言葉や生活習慣が壁となり税制を理解してもらいにくいことに加え、現行の外国人登録法は転出届を義務化していないため、引っ越されると徴収が難しくなるためだ。

県内で外国人登録者数の対人口比率が最も高い菊川市(八・七四%)では、〇六年度の住民税等の滞納は七九一六件一億四〇〇〇万円になるが、うち外国人は三三一四件五五〇〇万円と、約四割を占める。そこで、通訳二人を雇い、外国人向けの窓口を開いた。言葉がわからず書類が書けない人もいるが、社会制度そのものをまったく知らない人もいる。家族単位で転入しても一週間でバラバラになるケースもあるという。

そもそも住民税は当年度の所得をもとに翌年度に課税するもので、外国人が引っ越したり転職などで所得が極端に減って納税できないなどの問題もあり、ある市の担当者は「現年課税にすべき」と話している。(朝日新聞静岡版6/4)

大分県由布市合併前自治体の下水道計画を中止

由布市は、旧狭間町から引き継いだ公共下水道計画の整備事業を全面的に中止し、別の下水処理対策に転換する。

旧狭間町の下水道計画は一九九七年度に中心部で着工し、下水道間の埋設や終末処理場用地確保を進め、これまで約五億円を投入しているが、財政難を理由に〇四年度から休止中で、供用はしていない。合併で発足した由布市でも、休止を継続している。市の試算では、事業費や運営費として毎年三億円余がかかり、これまでの事業費の国庫補助金や起債の償還という一時的な負担が生じてもやむをえないとしている。(大分合同新聞6/1)

鹿児島県ふるさと納税の分割基準

鹿児島県に対する「ふるさと納税」について、鹿児島県は、住民税と同様市町村六割、県四割で配分することとした。寄付者が指定したい市町村をしたいできるようにし、指定した場合はその市町村に六割、指定しなかった場合は、小規模町村に配慮しつつ人口配分で割り振る。県は、東京と大阪事務所に専従職員各五人を配置、県人会名簿から個別訪問や企業訪問を行う。(朝日新聞鹿児島版5/20)

神奈川県大和市、綾瀬市基地周辺防音工事におくれ

米軍厚木基地周辺の航空機騒音対策として、国が限度内で全額助成する住宅防音工事がとどこおり、約三世帯が順番待ちしていることがわかった。国の予算削減が主な理由で、二〇〇二年度には約五〇〇〇世帯の工事が行われたが、二〇〇七年度には二〇〇〇世帯余りと、半減している。〇六年から対象区域を拡大したことから対象世帯数が一四万世帯から二〇万世帯に拡大したことも拍車をかけている。(神奈川新聞6/4)

各地値上げ対策あれこれ

漁船の燃料高騰が問題になっているが、山口県では、集魚灯をLED(発光ダイオード)に切り替える実験を行い、省エネ効果をもつことがわかった。従来のハロゲン灯に比べ三~四割節約できる。設置費用そのものはかかるため、建造費や改造費の助成も行う。(朝日新聞山口版5/24)

原材料費の相次ぐ値上げの影響で、広島県福山市では、七月の学校給食メニューから牛肉が消える。これまで国産牛肉(一〇〇㌘あたり二五〇円)を使っていたが、豚肉や鶏肉に切り替えることで、給食費の値上げを当面行わない。(中国新聞6/12)

燃料値上げの影響で、高知県宿毛市と大分県佐伯市を結ぶフェリーを運航する会社は、速度を遅くすることで高騰する燃料費を節約する。速度を現在より八%程度落とすと効率的になることがわかったとして、ダイヤを見直し、三時間かかっていた運行時間を三時間一〇分とする。(高知新聞6/11)

広島県学校耐震に公私格差

中国での四川大地震で学校施設の耐震強度が改めてクローズアップされる中、私立学校の補強問題が懸念されている。公立学校には国からの補助がありその拡大が検討されているが、私立学校に対しては、実質運営する学校法人任せになっているためだ。

県学事課によると、県内の私立小中学校の校舎・体育館のうち、耐震性が確認されているのは五一・六%で四一番目に低い。私立幼稚園も耐震化率は五〇%程度で三八番目。耐震診断については国庫補助制度もあるが、「少子化などによる児童数減少で、億円単位で必要な補強や改築はできない」とする声があり、耐震補強工事にあたっての利子補給制度(一%)はあるが利用実績はないという。公立学校も低かったが件は〇七年策定の耐震改修計画(耐震化率を九〇%とする)を計画的に進めていることから、格差が問題になっている。(中国新聞6/7)

茨城県学校統廃合を誘導

児童生徒数の減少で小規模化がすすむ小中学校の統合に向け、茨城県教委は矢継ぎ早に誘導策を打ち出している。

四月には小中学校の適正規模(小学校一二学級、中学校九学級)を明示した指針を公表し、五月に先進市町村の取組みを集めた事例集を配布した。六月には、教育長が動きのない市町村に出向く。指針にもとづくと、県内小中学校の約半数の四二〇校が統合の対象となる。市町村側は、「地域の事情があり、統合は市町村が判断すべき」「学級数だけで自動的に線引きできない」「県の教育予算を削減する狙いだ」として、七割以上の三三市町村では具体的検討に入っていない。(茨城新聞6/2)

宮崎県タスポ導入三カ月

未成年者によるタバコの販売を規制する成人識別ICカード・タスポが、全国の都道府県で順次導入されている。三月から導入された宮崎県では、申し込み手続きの煩雑さなどから、県内の所有者は三分の一にとどまっているという。自動販売機の売り上げも七割程度におち、自動販売機を撤去する動きもある。一方、対面販売を行うコンビニなどでは売り上げは順調に伸びているという。(宮崎日日新聞6/8)

和歌山県白浜町ビーチも禁煙

本格的な海水浴シーズンを前に、白浜町白良浜海水浴場は、条例で、喫煙とごみポイ捨ての禁止区域に指定された。七月一日施行を前に、看板や横断幕、ごみ箱や喫煙場所の設置が行われた。条例では、違反者に対する罰金はないが、ごみの回収や清掃を命令できる、としている。(朝日新聞和歌山版6/14)

群馬県太田市子どもの「携帯」禁止通知

携帯電話を悪用して子どもに対する打犯罪やいじめが多発しているなか、太田市教委は、小中学生の携帯電話所持を原則禁止することとし、学校での所持禁止と家庭でももたせないように、とするアピールを、校長会を通じ児童や保護者に通知する。市内の小中学校では、携帯電話の所持や使用に関する指導を行っているが、「市教委の基本的な考え方を示してほしい」という要望があるという。一方、PTA関係者は、「防犯上の理由などで携帯をもたせている家庭もある。まずは家庭内での対応を工夫すべきではないか」と話している。(上毛新聞6/11)

兵庫県高砂市合併地域の村おこし

昭和の合併で高砂市に合併した、荒井地区(旧荒井村。約四〇〇〇世帯)で、五四年ぶりに「村」が復活する。「よってこ(寄っておいで)村・荒井」と名づけた事業で、県の県民交流広場事業の補助金もうける。地区内の焼却炉メーカーの厚生施設(鉄骨二階建て三〇〇平方㍍に、広場二五〇〇平方㍍)を無償で借り「役場」とし、、村長のほか、教育や建設など「大臣」をおき、週四日「役場」に常駐する。(神戸新聞6/11)

自治体政策情報

荒尾市人工呼吸器でも会話可能

熊本県荒尾市民病院の臨床工学技師がこのほど、人工呼吸器装着時でも会話ができる装置を開発した。人工呼吸器を装着すると息が声帯を通らないため発声ができなくなるが、別のルートで声帯に空気を送る。人工呼吸機能には影響がない。荒尾市名義で特許を取得したものの、メーカーが製品化するかどうかは未定。

鳥取県県立図書館でパブコメ資料

県立図書館は、新たな利用者支援のため、「県政パブコメ支援サービス」を始めた。条例案や計画案などのパブリックコメント募集にあたり、関連する図書、他県の条例、関連ホームページなどをそろえている。電話相談にも応じる。

静岡県文化財の耐震診断

文化財への地震の備えを充実させようと、県教委は独自の「予備基礎診断」を実施する。専門家による基礎診断(三〇〇~四〇〇万円)よりは簡易で、費用は一件三〇万円程度という。

山形県庄内町住宅建設祝金

地元の建設業者に住宅の新設や増改築工事を依頼した場合、施工主に工事費の五%(上限五〇万円)を祝金として交付する。町内の着工件数は一〇〇件以上あるが、約七割が大手ハウスメーカーが受注しており、地元建設業者の受注増につなげようと制度を発足させた。一〇〇〇万円の予算を組んだ今年度はすでに四七件九一五万円の申請がある。

兵庫県尼崎市市役所の壁面緑化

アサガオを市役所庁舎の壁面にはわせて直射日光をさえぎる「壁面緑化」にとりくんだ尼崎市は、今夏は、ゴーヤとツルムラサキで壁を覆う。室温を抑えるとともに、収穫して食用にする。

鳥取県公金以外も会計公表

県立盲学校で裏金づくりが発覚した問題で、鳥取県は、公金以外に知事部局で管理している会計についても公表することとした。祭典などの実行委員会や協議会の会計が該当する。

以上、月刊「住民と自治」2008年8月号より。

ページの先頭へ戻る