ローカルトピックス - 2009年11月
月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2009年11月号より。
名古屋市町家を福祉施設として再生
東海道沿いの古い町並みが残る名古屋市緑区有松地区。七月下旬に取り壊される予定だったこの地区の江戸時代末期の町家が、市や所有者、建築会社、市民らの協力で、解体・補修して町家風の外観を保ったデイサービス施設として生まれ変わることになった。取り壊してアパートにする当初計画を上回った修復費は、地元市民団体「有松まちづくりの会」が寄付を集める。(中日新聞9/13)
鳥取県学テ、学校別の成績開示
鳥取県教育委員会が、小学六年、中学三年生を対象に本年度実施した全国学力テストについて、県内の市町村別・学校別の成績を、情報公開請求者に一部を除いて開示した。市町村別データについては、秋田県教委が昨年一〇月に市町村名を伏せて開示、大阪府教委が今年八月に学校が一校しかない町村以外の成績を開示しているが、都道府県教委が学校別の成績を開示するのは全国で初めて。
開示されたのは県内一九市町村別と、計一六六の小中、特別支援学校別の国語、算数・数学のそれぞれの平均正答数と平均正答率。対象学年の児童・生徒が一〇人以下の学校は開示しなかった。
〇七、〇八年度については教育関係者らの了解を得られず非開示としていたが、県議会が〇八年一二月に県情報公開条例改正案を可決。開示を受けた人に対し、データを使う際に学校が特定されないよう求める「配慮規定」(強制力は無い)を盛り込んだ上で、〇九年度分以降は開示できるようにしていた。(東奥日報9/8、日本海新聞9/8)
徳島県美馬市除草ボランティア継続の危機
美馬市脇町を流れる大谷川は、うだつの町並みや脇町劇場など市の観光名所に面するが、放っておけば人の背丈を超えるほどの高さにもなる雑草を刈り取る除草ボランティア活動が、継続できるかどうかの岐路に立っている。一〇年前から一〇社ほどの地元建設業者が協力し続けてきたが、公共事業削減などで倒産含めて会社の経営が厳しくなり手が回らなくなったため。約一・一㌔㍍を七区画に分けて分担しているが、一区画につき約一週間、約一〇〇万円かかる。河川を管理する県の部局は「ボランティアがなくなれば今と同じ状態で維持するのは難しい」とする。(徳島新聞9/5)
宮崎県都城市商店閉店で食料手に入らない
大型スーパーに客足を奪われ個人商店の閉店が相次ぎ、過疎地では高齢者の暮らしに影響が及んでいる。
八月限りで地区唯一の店が閉まり移動販売も無くなった都城市吉之元町に住む一人暮らしの七四歳の女性は「子どもがいないので近くに頼れる人はいない」。家から別のスーパーまで車で二〇分だが、女性は高齢のため五月に車を手放したばかり。自宅からバス停は約二㌔㍍離れ、路線バスも一、二時間置きに一本しかない。最後の配達から一週間、卵かけご飯やインスタントラーメンしか口にできず、「今は風邪をひいているのに、栄養のあるものが食べられない」と話す。
国土交通省と総務省が全国二〇地区の限界集落で実施した調査をもとに、国交省の過疎集落研究会が四月にまとめた報告書では、高齢者を支えるため、「買い物や医療など生活に必要なサービスを提供する拠点整備」「運転免許を持たない高齢者が、気軽に利用できる移動手段の確保」を自治体に求めている。(宮崎日日新聞9/7)
福島県伊達市廃校活用NPOが宿泊施設建設
伊達市霊山町の「NPO法人りょうぜん里山がっこう」が今年度、宿泊型の生活体験施設「りょうぜん里山がっこうの家」を建設する。地元の材木や地元の業者を活用する「ふくしまの家地域活性化支援事業」を活用した事業で、主な機能は①二地域居住やU・Iターン希望者へ就農や住まい提供までの間、相談拠点に活用する「宿泊滞在生活体験施設」と②地元や首都圏から訪れる幼児、お年寄りが世代間交流・地域間交流できる「里山生活体験施設」の二つ。事務局案では良質の伊達の木材を使った養蚕農家をイメージした二階建ての素朴な土塀、板張りとし、一階には、自分で調理する炊事場や食堂、いろりなど団らんの場、二階が宿泊施設で最大一六人が宿泊出来るようにする。
「里山がっこう」は廃校を再利用し、平成一二年にオープン。一九年にNPO化。手作りパンや田植えなど里山体験やグリーンツーリズム事業を展開。近年では首都圏で、霊山での定住PR活動などにも力を入れている。(福島民報9/12)
福井県海面漁業経営体が四割減
福井県が発表した二〇〇八年の海面漁業に関する漁業経営体調査結果によると、県内海面漁業の経営体(世帯または事業所)は、五年前の前回調査から一五・八%減、二〇年前からは約四割減少した。就業者も二〇年前から四割減少し、六〇歳以上が半数を超えるなど高齢化が進んでいる。漁獲物・収穫物の年間販売金額は「一〇〇万円未満」とした経営体が全体の四三・四%を占め、次いで「一〇〇万円から三〇〇万円未満」が一八・五%。販売金額が一〇〇〇万円以上あったのは約一割にとどまった。(福井新聞9/8)
仙台市私立保育所、行政に不満
仙台市内で休日保育を実施する六カ所の私立認可保育所に昨年春、市から文書が送られてきた。国の制度見直しにより、休日保育に対する補助金が、一律から、利用実績に応じて変わるという内容だった。これまでの補助金は年間一五〇万円。ある保育所が試算したところ、全ての保育所で補助金は減額になり、中には一〇〇万円以上減るところもあった。毎回定員いっぱいでも一五〇万円の補助金では赤字を埋めきれない休日保育事業は、どこも年間二〇〇~三〇〇万の赤字を抱える。市の要請で実施している保育所もあり、「減額は納得できない」との声があがった。結局、保育所側の強い要望で補助金は据え置かれたが、市内の私立認可保育所で組織する市私立保育園(所)協議会の市に対する不信感は一気に高まった。協議会は以前から市に休日保育の実態を説明し、予算増などを求めていたからだ。
「市のやり方は誠意に欠ける。補助金の増額がない限り、本年度限りで休日保育を一斉に打ち切る」と協議会は今年、市に通告した。使命感を抱きながら保育に取り組んできた保育所長らにとって、自己否定にもつながりかねない身を削るような決断だった。「そもそも市立保育所は休日保育を実施していない。民間活力導入の名目で、赤字が確実な事業を、経営基盤が弱い私立保育所に押し続ける市の姿勢には納得できない」と同協議会会長は憤る。(河北新報9/4)
自治体政策情報
安中市赤ちゃんに地元絹製品
群馬県安中市は、出生届を出した新生児に、地元絹製の「おくるみ」と「ミトン」のセットを贈呈している。「絹の肌触りがよい」、以前の産着より「長い期間使える」などと市民に好評を得ている。
入善町蔵書への被害を展示
富山県入善町立図書館は、書き込みやページを切り取られるなど、被害を受けた蔵書を展示する「本が泣いています~蔵書被害モラルを問う」との特設コーナーを設けた。同館は「本を大切に扱うきっかけになれば」と期待する。
秋田県もみ殻炭で水質浄化
秋田県健康環境センターは、八郎潟干拓地地下からの湧水に含まれる高濃度リンを、炭化したもみ殻を使って回収する技術を開発した。八郎湖の富栄養化の原因の一端と推定されるリンを吸着させて水質浄化が図れるほか、大量に発生するもみ殻を有効利用でき、吸着後に回収して肥料の地産地消にもなると期待されている。
藤里町町民会議報告書を全戸配布
秋田県藤里町議会は、議会基本条例に基づき七月に七地区で開催した初の町民会議の内容をまとめた報告書を発行した。町政についての疑問などの発言が、町民との一問一答形式で記載され、全約一五〇〇世帯に配布される。
高山市公共・学校図書館連携
岐阜県高山市で、市図書館の職員や学校図書館職員、司書教諭ら約一一〇人による「高山市子どもの読書活動支援・図書館等連携協議会」が設立された。レファレンスなど情報の相互利用、職員の共同研修などを行う予定。
大分県公社・出資企業監督強化
大分県は、国所管の法人を除く県が出資する全ての団体に対象を拡大して、団体の経営状況や出資、職員の派遣など関与の状況を毎年度、県のホームページで公表する。出資割合二五%以上などの関与が強い「指定団体」は財務・活動指標を設けて年度ごとに点検・評価して結果を公表する。自治体財政健全化法の施行や出資会社の経営悪化を踏まえた措置。
鹿児島市暗渠のふたを撤去し親水の場に
鹿児島市は清滝川を覆っている、現在駐車場として使用されているコンクリートのふたを一部撤去し、流れを眺めながら散策できるよう歩道や照明灯を設置する。繁華街・天文館のにぎわいづくりや、再整備が進む天文館公園、鍛冶屋町の歴史ロードなどと連携した回遊性向上を期待する。
北本市市街地の雑木林を市が買い取りへ
埼玉県北本市は、JR高崎線沿線にある約一三〇〇平方㍍の雑木林の、来年三月頃に予定される市街化区域への変更を前にした買い取りを目指す。将来的な取得予定の土地も合わせると総取得費は計六億円とも見込まれるが、CO2対策で二億円は国の補助を見込み、三億円は地方債をあて、不足の一億円は市が八六年から積み立ててきた「緑と花のまちづくり基金」を活用するという。
日高市マスコット入り給食食器
埼玉県日高市教育委員会は、先に小学生から公募したマスコットキャラクターを給食食器にデザインした。残さず給食を食べて欲しいとの願いで、市内一二小中学校の児童生徒が使用する。
以上、月刊「住民と自治」2009年11月号より。