ローカルトピックス - 2009年2月
月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2009年2月号より。
横浜市民間保育施設、突然閉鎖
横浜市が助成金を出し、「横浜保育室」として指定している市内旭区の民間保育施設が、今年度末に閉鎖されることになった。市の道路拡幅計画で、保育施設のはいっているビルが取り壊されることになり、新たな移転先が見つからないため、と経営会社は話している。父母らには一一月中旬に配達記録郵便で通知が行われた。
父母からは。「四月までに新たな保育園を探すのは無理だ」「どちらかが仕事をやめなければならない」「市から助成金がでている保育施設が、市道の拡幅で閉鎖されるのはおかしい」と話している。(朝日新聞横浜版12/3)
宮城県指定管理者でかえって割高
宮城県流域下水道の終末処理場に、〇九年度から指定管理者制度が導入されるが、維持管理費が当初見込みより割高になることがわかった。区域に分けて公募したものの申し込みがそれぞれ一社だけだった上、それぞれの会社側の提案価格が、予想より高額だったため。県は、指定管理者導入に際し、〇七年度比で一割削減できると市町村に説明していたことかた、全額を負担している市町村は反発をはじめている。県は、「応募が一社で競争原理が働かなかった。原材料費や電力使用料の高騰も影響している。現在はあくまで企業からの提案を受けている段階であり、市町村の負担増につながらないよう努力したい」としている。(河北新報12/8)
島根県津和野町病院の破産で地域医療はどうなる
農村の無医地区解消を唱え、大正期に創設された石西厚生連が破産した。厚生連は、「責任の重大さを痛感している。臨床研修医制度による医師の引き上げが要因」としている。当面、病院や老人施設は存続するが、全国を覆う、医師、看護師不足などの構造的問題に、「解」は見えない。町は、これまで地域中核病院の存続のために、土地や建物の買取など財政支援を行ってきており、新法人での運営を全力で支援したいとしている。(山陰中央新報12/13)
北海道冬季国体の開催保留
道と道教委は、二〇一〇年一月に開催が予定されている国民体育大会の開催地を引き受けてほしいという日本体育協会からの要請に対し、態度を保留している。
夏の国体と違い冬季国体には開催地の輪番制はなく、この一〇年でみても、北海道では四回開催されている(青森、長野、群馬も三回)。くわえて、厳しい道財政が原因となっており、国からの補助金や協賛金があるものの一大会あたり一億円程度の持ち出しになるという。一方、体育協会側は、「今回、北海道に断られると、冬季国体はお休みにします」と話している。(朝日新聞北海道版11/21)
名古屋市トヨタショックで誘致空振り
元気な名古屋をあてこみ、相次いで名古屋事務所を新設・拡充した全国の自治体が、景気失速にあえいでいる。自動車関連企業の誘致を本格化させたばかりのところに、トヨタショックが直撃した。福岡市は、〇八年四月に名古屋事務所を開設した。所員は所長一人。着任後五〇社を回った。当初は前向きの姿勢を見せていた企業も、今は「厳しい」の声ばかり。飯塚市は、五区画の工業団地を分譲する。担当者は、「全部埋めるまでは帰れない」と語る。今年度から一人増員した山形県の担当者は、「経済は生き物。景気はいずれ持ち直すので、今のうちに山形のよさを発信していく」と長期戦の構えだ。(中日新聞12/12)
栃木県県議会で景気悪化の報告
景気の急激な悪化で何が起きているか。二七日に行われた県議会の足利銀行問題等地域活性化対策特別委員会で、県内の金融機関の幹部が参考人として招かれ、現場の苦悩を語った。
信用組合の幹部は、「取引先には孫請け企業が多い。公共工事が減り、赤字がほとんどだ。融資をしないとつぶれてしまうので、融資をせざるを得ない」と返済原資を見込めなくても融資を続ける「延命措置」を続けていることを発言した。また、地域間格差が大きくなり、北関東道が開通した真岡市のように比較的元気な地域もある一方、益子町では基幹産業の窯業の売り上げがピーク時の一〇分の一になっている、那須地域では市町村合併後の公共事業の減少に建設業が苦しみ、返済条件の緩和が求められることなど、地域の実情を訴えた。
信用金庫の幹部は、「信用保証協会の審査が前は緩やかだったが返済不能になる比率も高まっていて、慎重になってきている。結果を待ったあげくに融資できませんという案件が散見される」と語った。(朝日新聞栃木版11/28)
静岡県内特養で看取り
特別養護老人ホームで介護保険の「看取り加算」が始まって三年。急速な高齢化と医療費抑制政策から導入された制度だが、住み慣れた場所で最期を迎えることもできる。県内で、高齢者の看取りに取り組む施設が増え、老人ホームで亡くなる人の割合が、九九年の二・五%から〇七年は四%に増えた一方、経験年数三年以内の介護職が多く特に夜間の看取りに不安を抱えていること、介護職員にも医療知識やスキルが必要という課題が明らかになってきた。(静岡新聞 12/4)
名古屋市保健の先生向け講座、好評
保健室でどう子どもと向き合ったらよいか。児童、生徒が抱える問題の複雑化にともない、養護教諭が対応に苦慮するケースが増えている。そんな中、名古屋市を中心に、養護教諭支援のコーチング講座を開くNPOの活動が注目を集めている。講座は年三回ほど、定員三〇人くらいで開催する。声の大きさや話す速さ、子どもへの質問の方法などコミュニケーションの実践に主眼を置き、全国から研修にくる。主催するNPOの代表自身も、養護教諭出身。(中日新聞12/13)
岡山県高梁市高速道路のガソリンスタンド閉鎖
岡山県高梁市の高速道・岡山道のサービスエリアにあるガソリンスタンドが休止になった。岡山道にはガソリンスタンドがなくなり、接続する中国道の経路や時間帯によって二一〇㌔㍍にわたりスタンドがなくなる。当該のスタンドは、当初は二四時間営業だったが、利用者は少なく、休止前は一時間当たり七台くらいしか利用実績がない。(朝日新聞岡山版11/29)
石川県輪島市漁業者の知識継承
漁業について深い知識をもる輪島市の漁業士が、後継者育成をめざす漁業士会を、輪島支所のなかに立ち上げた。巻き網や刺し網などにくわえ、海女漁も行われている輪島特有の技術と知識を継承する。漁業士は、一九八六年から、漁業技術の向上やリーダー育成を目的に創設され、都道府県知事が認定している。輪島市内には現在二八人いる。(北国新聞12/7)
徳島県吉野川市老人施設、集落排水から脱退
社会福祉法人が運営している老人福祉施設三施設が、吉野川市の農業集落排水事業から事実上脱退した。今年度はじめに使用料を従量制に変更したことから、三施設あわせての年間料金が約六倍になったため。従来使っていた合併浄化槽を増設して汚水処理を行っている。三施設の使用料金は全体の一八%を占めており、農業集落排水事業は当初見込みより四〇〇万円減収となった。農業集落排水事業は任意加入だが、条例には「脱退」の手続きが定まっておらず、市では「脱退届」を承認するかどうかの判断を先送りしている。(徳島新聞12/13)
仙台市合同庁舎「増築」見送り
一二月二日、国土交通大臣は、総工費一一四億円を投じる仙台第一地方合同庁舎の「増築」を見送ることを発表した。計画では、現在の合同庁舎が、災害時には防災拠点となるにもかかわらず耐震基準を満たしていないとして、隣接する敷地に、地上二〇階建ての庁舎を建設し、東北地方整備局、東北経済産業局、東北財務局などが移転するもの。〇七年に計画が発表され、〇八年のうちに入札、〇九年度に着工されるはずであった。しかし、地方分権改革推進委員会でこの問題が取り上げられ、出先機関の廃止を検討している中、なぜ今なのかと批判が集中、国土交通大臣の中止発表となった。(朝日新聞宮城版12/8)
静岡県空港開港延期をめぐって監査
静岡空港の開港延期問題をめぐり、県に行政上の失政があったとして、監査委員が空港部や現地の空港事務所を対象に、臨時監査を進めていることがわかった。
この問題は、空港用地の強制収用にあたり測量にミスがあったため、一部の立ち木が残ってしまったもので、一年以上前にこの立ち木が航空法に抵触することがわかったもの。監査の対象は、測量ミスの経過や根本的な原因とともに、地権者に対して航空法の制限ではなく地すべり防止対策だと説明したこと、一年以上前からわかっていたにもかかわらず公表していなかったこと、にも及ぶという。
自治体の監査は、不正経理などの財務監査が中心だが、九一年の地方自治法改正で「必要があるときは行政事務の執行について監査できる」(一九九条二項)こととなっている。特定の問題について臨時の監査が行われるのは初めてで、監査意見については、県側が改善措置などの対応をしなければならない。(朝日新聞静岡版12/11)
自治体政策情報
つるぎ町共同アンテナで地デジ
徳島県つるぎ町は、光ファイバー網整備ではなく、既存の共聴組合の共同アンテナのケーブルを利用して、地デジに対応する。工事費は三億円程度ですむという。
香川県内電子自治体システムから離脱
香川県内の東かがわ市など五市五町は、〇九年度からかがわ電子自治体システムから離脱する。インターネットで各種申請等が可能になるシステムだが、運用が開始された〇四年度から、東かがわ市などでは利用実績がなく、負担金のみ支出していた。
奈良県直売所と包括協定
奈良県は、県内の農産物直売所と包括協定を結ぶ。一定以上の実績(前年度の売上が一〇〇〇万円以上で、県内産品が五〇%以上取り扱うなど)があり地域活性化に意欲がある直売所を公募、案内看板をつくりネットワーク化する。
伊東市漁協から学校給食へ
静岡県伊東市漁協は、水揚げした魚を自ら加工処理する施設をオープンさせ、市内の小中学校の給食用に卸す。当初は、競り価格の下支えが目的だったが、市役所産業課が仲立ちし、学校給食に卸すことにした。
南部町ごみ分別でポイント
鳥取県南部町の、東西町振興協議会は、資源ごみを分別してだすたびにポイントがたまり、地域通貨に交換できる制度をもうけた。軟質プラスチィックと雑紙が対象。五回分のポイントで、地域通貨一〇〇円分と交換できる。
島根県高齢者、自治会で移送
島根県は、公共交通機関が利用困難な過疎地域で、高齢者の移送を自治会などがボランティアで行うモデル事業を実施する。過疎地域での移送サービスは、道路運送法の規制緩和で始まった福祉有料移送事業があるが、利用者から運賃をとらないことで、同法の規制を受けない。県は、自動車の購入費と運行経費の一部を補助する。
さいたま市転入母子家庭と面談
さいたま市は、児童虐待の予兆を把握し、防止につなげるため、リスクが高いとされる子どもの多い母子家庭について、転入後に児童扶養手当を申請した際に、保健師やケースワーカー、家庭相談員らが面談を実施する。
静岡県作業所名鑑を作成へ
授産施設などの作業工賃アップと企業からの受注増を目指し、県は、各授産所の生産品やその特徴も記入した名鑑を作成することとした。
足利市子育て支援に公営住宅
栃木県足利市は、入居率が低い中堅所得者向けの特定公共賃貸住宅を公営住宅に変更し、低所得の子育て世帯に貸し出す。対象となる住宅は3LDKで四九戸のうち四〇戸が空き部屋となっている。現在八万五〇〇〇円の家賃を三~四万四〇〇〇円で貸し出す。
京都市文化的建造物を守る
文化財保護邦などの指定がされていなくても、文化的価値のある建造物などが改築などで傷つけられるのを防ぐため、京都市は、建築士や工務店関係者などを対象に、文化財の保存、活用の注意点を学ぶ講座を開く。
日田市古い町家に復元瓦
重要伝統的建造物群保存地区に指定されている大分県日田市豆田町で、復元した江戸時代の軒瓦を使って修理する。NPO団体が復元したもので、国などの補助をうけて修理する際には、この瓦を使ってほしいと呼びかけている。
由布市景観協定で格付け
景観協定をすべてクリアしたら、三ツ星。大分県由布市湯布院温泉の中心地・湯の坪街道で、景観法にもとづき地域独自に景観協定がまとまった。広告物の数・形、看板の色とともに、商いの手法(客引きをしたり、大音量で音楽を流したりしない)を判断する。
瀬戸内市大型建築物を景観誘導
日本のエーゲ海とも称せられている、岡山県瀬戸内市牛窓町地区で、大型建築物を新増設する際、白とオレンジを基調とした外観に誘導する景観条例を制定する。フェリー乗り場と展望台から見える範囲を眺望景観形成重点区域に指定する。
山口県食品表示責任者配置
山口県は、食の安心・安全に関する推進条例を制定する。食品加工業者や小売業者の各事業所に、食品表示責任者を配置するよう求める。
滋賀県・兵庫県所蔵品無償で貸借
阪神・兵庫県立美術館と滋賀県立近代美術館は、互いの所蔵品を無償で貸し借りできる協定を結んだ。財政難の中、予算をかけずに両館の手薄な分野が補うことで充実した展示をめざす。
以上、月刊「住民と自治」2009年2月号より。