ローカルトピックス - 2009年3月

月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2009年3月号より。

福岡県ケアマネ燃え尽きの危機

〇六年度改定の介護報酬切り下げの影響を受け、〇八年三月時点で、ケアマネージャーが所属する居宅介護支援事業所の同事業の利益率は最も厳しいマイナス一七%となった。その影響を調査するため、福岡県介護支援専門員協会が昨年五月にケアマネの実態調査を実施した。ケアマネ二一〇〇人と居宅介護支援事業所四〇九カ所が対象で、それぞれ五一七人、二二五事業所から回答を得た。

ケアマネの仕事をやめたいと思ったことがある人は八割以上で、仕事を続けるのがつらいと感じるのはどんな時かという問いに「書類に追われていると感じる」と答えた人が多かった。収入が業務に見合うか尋ねたところ、「見合っていない」「全く見合っていない」が約八割を占めた。このほか、五〇代以上が全体の六割を占め、次世代のケアマネが育っていない現実も浮き彫りになった。(朝日新聞福岡版12/18)

長崎県介護保険料滞納三五%

長崎県保険医協会が県内二三市町の介護保険料の滞納状況を調査したところ、回答のあった一九市町で保険料を個別に支払う六五歳以上の普通徴収対象者(被保険者の約一〇%)のうち、滞納している人が三五・一%に上ることが分かった。政府は〇九年度介護報酬を初めて三%アップさせる方針だが、県保険医協会は、これ以上の保険料の引き上げは滞納者をさらに増加させるので、市町は積立金の活用などで高齢者の保険料は少なくとも据え置くべきとしている。 (長崎新聞1/11)

北海道夕張市「命のバトン」普及呼びかけ

東京都港区などで導入されている、かかりつけ医や病歴、緊急連絡先などの記録を専用ケースに保管し、非常時に救急隊員に役立ててもらう「救急医療情報キット」が、夕張市では「命のバトン」と名付けられ、市民有志が紙芝居をつくって地域を回り、各家庭への備え付けを呼びかけている。家族のだれかや独り暮らしのお年寄りが倒れた場合、救急隊員や搬送先の医師らに引き継がれ、本人が話をできない容体の時等でも、主治医への連絡・照会や使える薬、可能な処置の判断などに活用できるという。(朝日新聞北海道版12/30)

神奈川県無断委託の孫請けから情報流出

神奈川県立高校生一一万人分の、口座番号を含む個人情報が流出した問題で、県教委から授業料徴収システム開発を委託された日本IBMが、無断で作業の一部を「孫請け会社」に委託していたことが分かった。データは孫請け会社の男性社員のパソコンから流出。この社員は県には下請け会社社員として紹介され、県に提出された「体制図」でも下請け会社の肩書きがついていた。県教委は「明確な契約違反」として、法的措置を取る可能性もあるとしている。(神奈川新聞1/15)

茨城県内国土利用計画、六割超未策定

土地利用の基本的な方向性などを定めた国土利用計画を策定済みの市町村は県内で一七市町村にとどまり、全体の四割に満たないことが分かった。二〇〇四―〇六年度に集中した市町村合併後多くの市町が新たな計画を策定していないこと、都市マスタープランなど別の計画で代替していて計画を策定したことがない、などが主な理由。(茨城新聞1/4)

宮城県市町村助けぬ県市町村課

「国の方針には従いなさい」でも「市町村の手助けはしません」というスタンスを、宮城県市町村課が一部業務で打ち出している。

蔵王町は、職員が在職死亡した際に町が支払う弔慰金のための保険料を公費支出している。地方公務員法にも適い、町議会の議決も受けている事業だが、「職員の生命保険の掛け金を町が公費で負担しており、住民の理解が得られない」とまるで不正支出であるかのような表現を用いて公表資料中で名指ししたり、「総務省通知に従って見直すべきだ」と迫ったりしている。

また市町村課が発表した「市町村の定員管理状況」で喜々として「職員の削減は、国の基準を上回るペースで進んでいる」と報告する一方、作成データを通じて「職員一人当たりの住民数が県内市町村で最も少ない」と指摘されたのが七ケ宿町。「職員削減の努力が足りない」と読みとられかねず、町は「人口が県内最少の町で、大きな自治体より職員一人当たりの事務負担はむしろ大きい」と訴え「恣意的データで、現場の窮状を無視している」と憤慨する。

一方、法令の施行や改正のたびに煩雑な見直しが必要となる、条例、規則、付則、要綱などの「準則」づくりについて、過去には市町村課が準則モデルを提示していたが、分権の進展で市町村課長は「自主、自立、自己決定が基本。こちらで準則を用意すれば依頼心が高まる。自分でやりなさい」と突き放す。ある首長は「膨大な準則づくりに職員をとられ、住民サービスがおろそかになっては本末転倒だ」と主張。県の幹部職員も「独自の裁量の余地のない準則ぐらいはモデルを示したらどうか」と市町村に同情し、「少なくとも、脇役(県)が主役(市町村)の正当な事業に介入して批判したり、SOSを無視したりしては駄目だ」と話している。(河北新報1/12)

北海道内福祉灯油財源「加算実感なし」

道内の多くの市町村で、今冬も実施されている「福祉灯油」について、政府がその財源を特別交付税で措置(半分を負担)すると約束したが、どのように加算されているのか実態が不明確なため、自治体関係者の間で疑心暗鬼が広がっている。福祉灯油の実施を見送った札幌市では「特別交付税はどうせ他の事業と丸めて交付される。福祉灯油の財源の裏付けとはならない」(市保健福祉局幹部)ことがその理由の一つとなっている。

道内町村分の交付税額を算定する道庁の担当者は「自治体の要求項目をすべて聞いたら、特別交付税の配分総額を軽く超えてしまう。全部を認めるわけには。特別交付税は積み上げ方式ではないんです」と説明する。特別交付税を扱う総務省幹部も「政治家の中には、一〇〇%の財政支援を行うと地元向けに話される方もいるが、特別交付税の額は限られている。実際は自治体の使う額の何分の一かを負担するのが実情です」と断言する。北海道新聞1/13)

石川県羽咋市限界集落からヒット商品続々

能登半島の付け根、棚田が広がる石川県羽咋市の神子原地区。人口五〇〇人のうち六五歳以上のお年寄りが半数を占める“限界集落"で、地元農家の出資会社「神子の里」が、独特のにおいがなくふわりととろける食感の手作りこんにゃくや、ローマ法王へ献上したことがある自慢のコシヒカリ「神子原米」などヒット商品を次々売り出し、注目されている。安全で質の高い食材に県内外から客が集まり、農家も「やる気が出る」と奮起。農業を始めるUターン組も現れ始めている。(秋田魁新報1/4)

自治体政策情報

浜松市空き庁舎を外国人学校に

浜松市は、〇九年度から旧雄踏町役場の庁舎を市内の南米系外国人学校に校舎として貸す計画を進めている。世界的不況の影響で経営難に陥ったこの外国人学校に、賃貸料の減免措置などで市独自の支援とする意向。

佐倉市市有施設を一元管理

千葉県佐倉市は、市有全施設の情報をデータベース化し、担当課ごとでなく新たな部署で一元管理する。課題を発見し、コスト削減と有効活用を目指す。

宮古島市市立校にLED照明

沖縄県宮古島市は〇九年度以降、市内の幼稚園や小中学校を改築する際、比較的消費電力や二酸化炭素の排出量が少なく、寿命の長い「発光ダイオード(LED)」照明の設置する計画を進めている。

宮崎県入札で地域貢献重視

宮崎県は予定価格二〇〇〇万円未満の小規模の土木工事を対象にした総合評価落札方式の「地域企業育成型」を試行する。消防団員雇用やボランティア活動などの地域貢献を重視。一般競争入札導入による価格競争の緩和を狙う。

鳥取県沿岸漁業振興ビジョン

鳥取県は、県内沿岸漁業が今後五年間に目指すべき方向を示した振興ビジョンを策定した。水産資源の確保、漁業経営の効率化、付加価値の向上が三本柱。

佐賀県育英資金を緊急貸与

佐賀県教委は、保護者の失業や賃金カットなどにより、学費の支払いが困難になっている高校生を対象に、緊急に育英資金の貸与希望者を募集する。

横浜市都筑区直売所マップ人気

横浜市都筑区が作製した、区内の農産物直売所五七カ所を掲載したガイドマップが、区施設などで一カ月で四〇〇〇部配布された。区内一一地区ごとに直売所の場所を示した地図や販売品、販売曜日などを掲載している。

埼玉県ネットいじめに手引書

ネットいじめに対応する事例や予防方法などを盛り込んだ手引書を埼玉県教育局が作製した。ネットの理解そのものや予防、防止に力点を置いた体系的・実践的手引は全国で初めてとし、県内全公立学校などに配布する。

能美市子育てサービス無料券

石川県能美市は〇九年度、子どもの一時預かりや保育施設への送迎を行う市ファミリー・サポート・センター利用者全員に一〇―一五時間分の無料券を交付する。

京都市新景観政策写真で紹介

京都市は新景観政策の内容を解説する「景観ガイドライン」の策定に向け、基準に合った事例として紹介する建築物の写真を募集している。市ホームページに写真を掲載し、基準に適合する形状や色合いの具体例としてPRする。

北海道道路河川等の管理基準策定

北海道は道道の除排雪や道管理の河川堤防の草刈りなどの維持管理基準作りに着手した。維持管理費は厳しい道財政を背景に減り続ける一方で、道民の苦情は増加傾向にある。これまで現場任せで対応にばらつきがあり、基準の統一で水準低下の歯止めを目指す。

以上、月刊「住民と自治」2009年3月号より。

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