ローカルトピックス - 2009年4月

月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2009年4月号より。

茨城県少子化対策で税収増

東海村の歴史研究グループと茨城大学の研究者らが、江戸時代後期の水戸藩の古文書を解読し、積極的な子育て支援で農村を振興させ、税収増で藩財政を健全化させるなど、先駆的な取り組みをしていたことが明らかになった。

この文書は、現在の東海村から日立市周辺を管轄した郡奉行・石神組のもので、一八〇九年一年分の史料。当時、飢饉などで困窮する農村は、「口減らし」のため子どもの間引きを行っていたが、石神組では、人口を増やして農業生産力を上げるため、妊娠の届けを義務付けたり、育児奨励金などを支給したという。人口もふえ、藩財政も潤うようになったという。 (朝日新聞茨城版2/10)

三重県亀山市不況による影響がここでも

世界的な不況は、液晶テレビの企業城下町・亀山市でも影響がでている。亀山市は、同工場が立地する前は、財政力指数が〇・八前後だったが、〇五年度に一・〇六、今年度は一・四五に上昇する見込みだった。こうした豊かな財政を背景に、学校や幼稚園・保育園の耐震工事を行い、小学校は全校の工事をおえた。

企業側は、昨年一二月に工場の再編、派遣社員の削減を発表した。亀山市は、工場誘致にあたり五年間で四五億円(固定資産税の九割相当)を支払う約束をしている。来年度で奨励金を支払うことはなくなるが、今後の景気後退、税収減少に、関係者は顔をしかめている。(朝日新聞三重版1/24)

岐阜県深刻な地場産業衰退

地場産業の衰退は深刻だ。

高山市内の、砂防や道路維持などを行う建設業者は、二〇〇〇年頃には売上高が二二億円、従業員も七〇人いた。しかし、公共事業が割き細る現在では、売上高は八億円にまで落ち込み、従業員は三〇人を切っている。この二年間は、高山市からの受注はない。

アパレル産地の岐阜市では、研修生や技能実習生として、主に中国人女性が、関係機関によると約八〇〇〇人働いているという。それでも、七〇年代に一六〇〇軒あった婦人子供工業組合も、今では二〇〇軒に減っている。人件費の安いアジア諸国との競争に太刀打ちできなかった。 地域経済の浮揚には、現場の実態を踏まえた施策が求められている。(朝日新聞岐阜版1/22)

福島県会津若松市住民意見をもとに政策討議

住民との意見交換会を通じて政策提言につなげようという議会改革が会津若松市議会で始まっている。市議会は、昨年夏、全市議が参加して市民との意見交換会を開催、寄せられた二一五件の意見を絞り込み、今年度の討論テーマを水道事業にした。研究者をまねき民間委託の現状などを学び、一月には政策討論会を行った。

政策討論会は、議会基本条例にもとづくもので、議員どおしが討論を行う。市側が三月にも水道事業の民間委託提案をするため、水の安全は確保できるのかなどの論点を、会派ごとにそれぞれ主張した。(河北新報2/2、朝日新聞福島版1/17)

鳥取市補助事業のハザマで

求職者に専門技術を身につけてもらうため、県などが厚生労働省の委託をうけて展開する講座について、鳥取市がすでに同種の講座を受託していたため、鳥取市民は受講できないことが明らかになった。講座内容はそれぞれの地域でつくる実施主体で決めるため、鳥取市では、昨年七月に委託をうけているが、中国語講座やデザイン講座など比較的簡単な内容が多い。一方、県と鳥取市をのぞく県内一八市町村、鳥取大学で委託をうけて行うものは、液晶ディスプレーや縫製技術など即戦力の講座を実施する。後者には鳥取市が加わっていないことから、鳥取市民は後者の講座を受けられない。(朝日新聞鳥取版1/24)

岩手県県の医療改革に「抗議」

岩手県町村会は、県が求めている医師養成奨学金の負担金について、「医療改革で県には町村の話を聞く姿勢が見られない」と「抗議」の意を示すため、各町村としては支出しないことを決めた。市町村振興協会の基金から支出する。

医師養成奨学金は、医師不足に対応するため、岩手医大など医学部学生に対し奨学金をだすもので、県と市町村で半額ずつ負担する。これまで一〇人の枠を、〇九年度には一五人に拡大する。県は、高度医療に集中する医療改革案を示していることから、ある町長は「医療改革で、県民の意見が反映されていない」「医師が増えても中核病院にのみ配置されたのでは町村は何のために負担しているのかわからない」と話している。(岩手日報2/14)

福島県指名競争入札に利点なし

福島県入札制度等監視委員会が開催され、本年度にの指名競争入札制度の試行結果について協議した。指名競争入札は一二月までに、予定価格一〇〇〇万円未満の二一三件実施されたが、期待された入札手続き期間の短縮、応札者なしの回避の二項目について検討したところ、期間の短縮は一週間程度であり、指名競争入札でも全業者が辞退した工事も四件あり、条件付一般競争入札と大きな違いが見られないという結論になった。(福島民友2/11)

自治体政策情報

福岡県割増商品券印刷費を助成

福岡県は、国の定額給付金の支給にあわせ、一~二割程度多く使えるプレミア商品券を発行する、県内の商工会議所や商工会に、商品券の印刷費や人件費、広告費などを助成することとした。県内五〇団体超が利用する見込み。一億五〇〇〇万円を予算計上した。

世田谷区区民雇用事業所に奨励金

世田谷区は、〇九年度予算に、区民を正規雇用した区内の事業所に対して奨励金を支給する制度を盛り込んだ。国の「トライアル雇用」(一人あたり月二万五〇〇〇円)制度も独自に上乗せし、一人四万円にする。トライアル期間は三カ月のため、その後の九カ月間について、週三〇時間以上の雇用で月四万円、週二〇時間以上の雇用で二万円を、独自に支給する。一八〇〇万円を予算計上した。

横浜市臨職賃金を日・週払い

解雇された非正規労働者を臨時職員として採用することを決めた横浜市は、応募しやすいように、希望に応じて賃金を日払いや週払いにする。パソコンなど就職支援講座の受講料も無料にする。

上越市備蓄食料を生活困窮者に

新潟県上越市は、災害用に備蓄している食糧を、生活困窮者に無償で提供する。昨年末から設置する緊急総合相談窓口で、職員が聞き取りなどで緊急対応が必要なケースと判断した場合で、二月中旬までに九件支給している。家族の分も提供することも可能。

明石市臨時交付金で住宅改修

地域産業活性化の緊急対策として、兵庫県明石市は、市民が市内の工務店等を利用して自宅を補修する場合、一〇万円を限度に費用の一〇%を助成する。地域活性化・生活対策臨時交付金を原資とする。二〇〇〇年度から五年間あった同様の制度を復活させる。

芸西村ごみ減らし育児支援

高知県芸西村では、各家庭で生ごみ処理機の導入を行うなどでごみ処理経費を削減し(約六〇〇万円)、その分を保育料減額に充てる。二〇~四〇%の減額になる(最高一万円程度)という。

群馬県市町村道の応急処置を代行

群馬県は、台風などの災害で市町村が管理する道路が寸断され集落が孤立した場合、県が市町村道の応急措置を代行する。災害時には、県庁に孤立化集落対策連絡室ももうけ、救援物資の空輸や、場合により自衛隊の救助を要請する。

船橋市市内ほとんどで高さ規制

千葉県船橋市は、一〇㍍の第一種低層住居専用区域と、市街化調整区域や商業地域をのぞき、地域ごとに建物の高さを二〇㍍と三一㍍に規制する。市内の四分の一ほどが新たに二〇㍍に規制される。不適格な建物については、一回にかぎり同規模の建替えを認める。

島根県シジミ漁を知事許可制に

島根県は、宍道湖や神西湖で相次いだシジミの密漁対策として、漁を知事の許可制にする(内水面漁業調整規則の改正)。従来から漁業権をもつ漁協の組合員は適用除外になる。違反者には、最高で懲役三年、罰金二〇〇万円となる。

長野県間伐材利用協定

長野県は、森林所有者、森林整備を請け負う業者、製材・木材販売業者の三者が各地で協定を結ぶことを支援する。県の森林づくり県民税で間伐作業そのものは活発になったが、使い道がなく山に置かれたままの間伐材も少なくないという。三者協定によって、間伐材の地域での流通をめざす。

大和市電気自動車、駐車場無料

神奈川県大和市は、新年度から電気自動車(バイク含む)での市管理の駐車場利用の料金を無料にする。市役所駐車場には、急速充電器を設置し無料開放する。

横浜市太陽光発電売電に上乗せ

横浜市は、太陽光発電システムを設置した町内会館(市内二〇〇〇弱)を対象に、電力会社への売電価格に、市が独自に上乗せする。設置コストを一〇年以内に回収できる価格設定を行う。〇九年度は一~二館の会館に設置し、売電価格やコスト等を検討する。

津市公立中学生に夜間補習

津市立の中学校付近に住む元教師や会社員らが先生になって、生徒たちに英語と数学の補習を夜間に行う。会場は市民センターで、夜間七時から二時間、週二回補習を行う。月謝は一〇〇〇円。学校支援本部地域授業の一環。

佐世保市暴力団追放運動を助成

長崎県佐世保市は、市内にある指定暴力団の事務所の使用差し止め訴訟を含めて反対運動を行っている住民団体に対し、安全・安心まちづくり推進事業として、パレードなどにともなう諸経費の一部を助成する。

飯舘村男性職員も育児休暇

福島県飯舘村は、新年度から、男性職員の育児参加を促すため有給の子育て特別休暇をもうけ、産前一カ月産後二カ月のうち連続一カ月の休暇取得を義務付ける。休暇中には「子育て日誌」を書き、休暇明けに提出する。

以上、月刊「住民と自治」2009年4月号より。

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