ローカルトピックス - 2009年5月
月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2009年5月号より。
茨城県稲敷市業者破たんで遺跡発掘頓挫
稲敷市が道路建設に伴う「沼田地区遺跡」の記録保存調査を委託していた業者が昨年一二月に自己破産し、調査が頓挫する事態となっている。市町村内の公共事業や民間開発に伴う遺跡調査は、教育委員会の責務で行うことが文化財保護法で規定されている。しかし、県文化課によると県内四四市町村のうち、専門職員を配置していない自治体は稲敷市含め二一あり、そこでは遺跡の発掘は外部委託せざるを得ない。
県文化課長は「調査の責任の主体は県と市町村。民間に任せる場合も行政側できちんと管理監督できないといけない」と強調する一方で、ある市の教育委員会職員は、「財政難で組織のスリム化や事業見直しを進めている最中で、開発にブレーキをかける面のあるこの部署に人を付けてくれるとは考えにくい」と見ている。県文化課は、行政側が企業の経営状況に十分に目配りできていなかったことが問題として、民間導入のための基準に反映させる考えだ。(茨城新聞3/16)
東北地方義務教育費負担元に戻して
東北の市町村議会で〇七、〇八の両年度、義務教育費国庫負担金の負担割合を、三分の一から二分の一に復元するよう求める意見書が計一六〇件可決された。残る三分の二は県の負担だが、三位一体の改革のなかで、地方交付税が大幅削減され、県財政も深い傷を負っている。結局、県単独教員採用、学校耐震化工事、図書購入、文化・芸術・スポーツに関する経費など義務的でない経費にしわ寄せされ、地域の教育水準の維持を脅かしていることが背景にあるとみられる。 (河北新報3/1)
愛知県美和町公園飛び出しは町に落ち度
二〇〇五年九月に美和町で発生した、公園から自転車で町道に出た小学二年生(当時)が車にはねられて死亡した事故について、名古屋地裁は公園管理者の美和町などに約五六〇〇万円の賠償を命じる判決を下した。車が通る道路に面しながら①飛び出しを防ぐ措置が取られていなかった、②道路沿いに高さ三~五㍍の樹木が繁茂したまま放置されていた、などと認定。樹木には隙間があり、また出入り口には二本のポールがあったという町側の主張をしりぞけた。(中日新聞3/7)
北海道足寄町組合費で町商工会商品券購入
足寄町職員労働組合は、四月から一一月まで、通常の組合費とは別に、職員給与(本給)の三%(組合員平均八六〇〇円)を「地域購買運動特別組合費」として毎月徴収する。一二月に、町商工会の商品券一二〇〇万円分を購入し、組合員に負担分を配布。職員に地元での消費を促すことを狙う。 (北海道新聞3/15)
和歌山県体験型修学旅行に九五%「満足」
和歌山県観光交流課が、〇八年度に民泊を含む、県内の自然を生かした体験メニュー「ほんまもん体験」を取り入れた修学旅行に訪れた六校(高校五、中学一)、一二〇三人を対象に調査を行った(回答率約九八%)。結果は、来県前は「あまり行きたくない」「行きたくない」が六〇%を占めていたのが、来県後は「とても楽しかった」「楽しかった」合わせ九五%が満足と一変した。楽しかった理由は「民泊家庭との交流」が三〇%と第一位で、「和歌山の自然」「ほんまもん体験そのもの」が一九%と続いた。県観光交流課は「予想以上に好評。さらに体験メニューを充実させたい」と話している。 (紀伊民報3/15)
北海道公立四病院、国助成打ち切り
地方の公立病院への国の財政支援の条件が新年度から変更となり、道内で上富良野町立病院・森町国保病院・美幌町立国保病院・新ひだか町立静内病院の四病院が計二億三〇〇〇万円の助成を打ち切られる見通しとなった。採算が取れにくい地方の公立病院への支援の条件は、これまで「一〇〇病床未満」を対象に「同一市町村内に他の二〇床以上の一般病院がない」などだったが、これを「一五〇病床未満」で「他の病院と一五㌔以上離れているか、人口密度が低い地区の病院」などとしたため、この四病院はいずれも町の中心部に立地し、一五㌔以内の隣の自治体に病院があることなどから、支援を打ち切られることとなった。
「住民の医療を担う病院を、単なる制度変更で息の根を止める気か」との批判もあがり、四町は道と連携し、条件変更の見直しや対策を国に求めていく方針。(北海道新聞3/13)
福岡県久留米市疲弊する学校給食調理員
非正規労働者は、役所や自治体の出先機関でも増え続け、中には専門知識を持ち、住民サービスの中心的役割を果たしている職員もいるが、ほとんどが六カ月や一年の不安定雇用で、賃金も低い。
東久留米市は二〇〇四年度から小中学校給食調理業務の民間委託に乗り出したが、ある非正規職員は民間会社のパートに切り替えとなった際に、時給九一〇円から福岡県の最低賃金レベルの六八〇円に切り下げられ、月々の手取りは五万円台に落ち込んだ。一方で、「仕事量は三倍」になり、その上、正社員の調理師が「きつい」と半年たたずに辞めたため、補助作業が主だったのが、加熱や味付けをすることが多くなったという。
ある委託業者は「学校給食をやっていると対外的な信頼度が増すので、安くても取りたい」と明かすように、委託料は予定価格の七~八割に抑えられ、そのツケが末端の労働者に重くのしかかるという構図がある。市は「調理員の待遇切り下げを助長してはいけない」と選定方式を見直す予定だが、民間委託を進める方針に変わりはない。 (西日本新聞3/15)
茨城県小中学校統廃合が急進展
茨城県で公立小中学校の統廃合計画が急進展している。県内四四市町村のうち六市町が具体的な計画を策定し、五市町が審議会の答申まで検討が進展。茨城新聞社調べでは、計画や答申通りに統廃合が実現すれば、県内全小中学校の約一割にあたる八〇以上の小中学校が段階的に減少する見通し。このほか八市が本格的な検討に入り、〇九年度新たに五市が検討委員会を設置する方針となっている。
県教委が昨年四月、小中学校の適正規模の基準を公表。少子化や財政難、老朽校舎の耐震化などを背景に、統廃合の動きは県内半数以上の市町村に広がった。一方で、地域住民の反対で凍結されたケースもあり、各自治体とも「地域に密着した小中学校の統廃合はデリケートな問題」としている。(茨城新聞3/9)
自治体政策情報
湖南市財源を示した条例可決
お年寄りの医療費助成を廃止し、浮いた財源で乳幼児の医療費を無料化する条例改正案が滋賀県湖南市議会で可決された。県は、事業の拡充と、その財源確保のための既存事業の廃止を一つの条例に盛り込む例は珍しいとしている。
高浜町地域医療再生へ寄付講座
地域の医療や健康問題について総合的に研究調査する福井大の「地域プライマリ・ケア講座」が〇九年度、高浜町の寄付で設置される。三カ年の予定で計六五〇〇万円を町が拠出、町内の医療機関に設けた研究室に同大の医師らが入る。
島根県“無人図書館"解消へ
島根県内すべての市町村立小中学校の図書館に学校司書ら専任の人材を配置するため、県が〇九年度から市町村に人件費の一部を補助する新規事業に対し、全市町村が参画の意向を示している。全三四七校の七割以上を占める「無人状態」の図書館が解消されることになった。
福島県「工場長育成道場」
福島県は県産業振興センターなどと連携し、中小企業の「工場長育成道場」をはじめ産業人材育成の新事業を展開する。県内への企業進出を促す人材面の受け皿づくりが狙い。
愛知県「自殺予防白書」作成
愛知県は〇九年度、新たに「自殺予防地域白書」を作成する。六一市町村ごとに各種データを分析して地域の実情を探ろうとする全国初の試み。白書を市町村が活用することで、対策が各地域で進むことを期待している。
焼津市「焼津平和賞」創設へ
第五福竜丸が核の被爆を受けた歴史を持つ静岡県焼津市は、核廃絶に向けた平和運動をたたえる「焼津平和賞(仮称)」を創設する方針を示した。
和歌山県間伐材パウダー燃料
和歌山県と県森林組合連合会は、県内のスギやヒノキの間伐材を砕いて粉状に加工した「木質パウダー燃料」を、地元の温泉施設で使う事業を始める。パウダー燃料は、空気を吹き付けながら燃やすと燃焼効率が良く、灰がほとんど出ず、また「木質ペレット」と比較して製造コストも安いという。
埼玉県石綿除去、民間に補助
石綿(アスベスト)対策として、埼玉県は石綿を使用した民間建築物に対して除去費用を補助する事業を始める。一棟当たり六〇〇万円を上限に、年間六棟を見込む。
埼玉県ドクターヘリ、二四時間体制で出動
医師と看護婦を乗せ、重症患者らを治療しながら空から病院へ搬送する救急医療用ヘリコプターについて、県は四月から日中限定のドクターヘリに加え、早朝・夜間も対応できるよう県所有の防災ヘリを活用。ドクターヘリで二四時間体制を敷くのは全国初。
古座川町学童保育、町営に
和歌山県古座川町は、保護者ら有志により運営されていた「学童保育所きらり」を、「本来町として取り組まなければいけない事業」として町営にする。〇八年は有志の会に一九〇万円を補助していたが、〇九年は会(名称は変更)に委託金として三四一万円支払う。指導員手当を〇・五人分増やしたり、新しく毎月第三土曜日にも保育したりすることなどが理由。
長野市小中学校の遊具使用中止
長野市教委は、市内の小中学校の遊具の四七%にあたる三二四基が、国の公園遊具の安全指針を満たしていないとして、各校に使用しないよう求めた。
以上、月刊「住民と自治」2009年5月号より。