ローカルトピックス - 2009年7月

月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2009年7月号より。

神奈川県内“無資格者”が消防長に

消防本部の長である消防長は、その資格が消防組織法に基づく政令で「行政職の部長や同等職に四年以上」か「消防署長の職などに二年以上」の経験を持つ者とされているが、神奈川新聞社調べで、県内では大和、厚木、秦野の各市、寒川町、足柄消防組合の現消防長が、政令に違反して任命されていたことが分かった。

資格要件を満たさない消防長就任が相次ぐ背景には、団塊世代の大量退職などに伴い、要件に合致する人材が自治体側に不足しているという事情がある。消防庁は「多くの自治体は計画的な人事異動で資格要件を満たしている」と順守を求めるものの、不適格とされた消防長が就く自治体は「要件を満たすのは困難で、国が自治を縛るような政令は地方分権に逆行する」などと反発している。(神奈川新聞4/27)

三重県内農政局、農地減でも事業費増

東海農政局が三重県で進める国営宮川用水第二期事業で、用水の受益地(対象耕作地)減少に伴い事業規模を縮小した際、事業費を逆に一八〇億円増額していたことが分かった。当初計画(九五年)の作付面積四一三八㌶、事業費三一四億円に対し、変更計画(〇五年)は同二九九四㌶、同四九四億円となっている。当初計画にあった導水路の新設工事は見送る一方で、用水路の埋設を高額な工法に変更したほか、既設導水路の流速を速める改修工事や鉄道橋の架け替え工事など数十億円の大規模工事を次々に追加し、工期も三年延長された。

同事業は、事業費のうち二三%を県、一〇%を伊勢市など一市四町が負担する。チェックがはたらかず負担増を押し付けられ不満を募らせる自治体担当者もいる。(中日新聞5/8)

愛知県豊橋市外国人七割が無職との調査

豊橋市の市民団体が、市内や周辺地域に住む外国人一一二人を対象に聞き取り調査を実施したところ、七〇・六%が「無職」と回答し、うち昨年一一月以降に失業した人は八七・二%に上り、世界的な金融危機が、外国人の雇用に多大な影響を与えたことをうかがわせた。四七・二%が日本で仕事をすることを希望しているが、日本語に不自由であることが多く、就職や定住に必要な日本語習得への支援が急務なことが浮き彫りになった。(中日新聞5/12)

山梨県小水力発電九八カ所で可能

山梨県内で、毎秒一〇㌔㍗以上の小水力発電が可能な河川やかんがい用水などが計九八カ所あることが、県企業局の調査で分かった。全ての場所で発電が行われた場合、県内の一般家庭約三万世帯分の電力を供給できる計算で、同局はクリーンエネルギー推進を目指して民間企業や市町村に情報提供を進め、設置を促していく。発電機設置には多額の費用がかかるため、同局電気課は「普及には市町村や民間の取り組みが欠かせない。国の補助金を紹介するなど積極的にバックアップしたい」としている。(山梨日日新聞5/11)

新潟市認可外保育所の認可化後押し

保育所の増設に取り組む新潟市が認可外保育所の認可化を後押しし、二〇一〇年以降同市に新設予定の四園のうち、三園が認可外からの転換となっている。いずれも開設から三〇年以上の実績があり、認可で市や国からの補助金が増え、職員の待遇改善につながると歓迎する保育所もある。 一方で、認可の基準を満たすよう、現在とは離れた場所に移転することとなった保育所があるほか、保護者が働いていない園児の一時預かりが制限され「今ほど柔軟に受け入れられなくなる」など、葛藤を抱える保育所もある。(新潟日報5/13)

長野県建設業者の審査不十分と賠償命令

自宅の建設工事で欠陥があり、工事をやり直すことになったのは県が施工業者の審査を適切に行わずに建設業許可を与えたためとして、諏訪地方の男性が県に損害賠償を求めた裁判で、長野地裁諏訪支部は、建設業法に定める審査を尽くしたとは言えないとして県に五七五万円余の賠償を命じた。建設業法は知事による建設業許可の条件として、専任技術者の勤務を義務づけているが、この業者はこの条件を満たしていなかった。国土交通省建設業課は「建設業許可と欠陥の因果関係をめぐる裁判自体が珍しく、このような判決は効いたことがない」としている。(信濃毎日新聞5/14)

山梨県間伐計画量「実現性ない」

山梨県が進めた県内三地域の森林計画見直しで、県が過去五年間の実績とかけ離れた間伐計画量を設定、関係者から「実現性のない数字」と指摘する声が上がっている。地球温暖化防止に向けた国の新しい全国森林計画を受け、間伐量の大幅上乗せを迫られたため、実績の三・六倍の計画量を設定したケースもある

林野庁は間伐計画量について「国内の森林機能を適正に維持するための目標値で、達成をめざす必要がある」と説明。県森林環境部は「実績との差に大きな開きがあることは認識しているが、国の方針もあり、山梨県だけ実績にあわせた量にするのは難しい」としている。一方でスギやヒノキなどの木材価格は、一〇年前に比べ三割以上下落し、早期の回復も見込めないため、県の新計画を基に地元の森林整備計画を策定する市町村からは困惑の声が上がっている。ある市の担当者は「木材価格が上がらなければ、森林所有者が整備しようという気にならない。目標量を増やして設定しても、実態が伴っていない以上、計画自体が画に描いた餅になる」と指摘した。(山梨日日新聞5/5)

福島県矢祭町「子ども司書」育成へ

矢祭町は、全国から寄せられた四五万冊の本を所蔵する「矢祭もったいない図書館」を活用した「子ども読書の街づくり」事業に乗り出す。町独自に県内初の「子ども司書」認定制度を創設するほか、小中学校と図書館のネットワーク化を図る。同町の読書のまちづくりを応援する作家の柳田邦男さんが全面的にバックアップして「矢祭絵本大賞コンテスト」(仮称)を実施することも新たに決まった。

子ども司書制度では、児童二〇人程度を募り、来年二月まで月二回程度、座学と実技で司書の仕事を学んでもらう。同図書館の司書や町内の教職員が指導に当たり、修了者を「子ども司書」に認定する。矢祭絵本大賞コンテストの詳細は協議中だが、一〇月の読書週間・文字活字文化の日に合わせてコンテストを開催する予定。入賞作品を出版したり、町内の各家庭に配ったり、インターネットで紹介することも視野に入れている。(福島民報5/9)

広島県東広島市指名競争入札四二%辞退

東広島市が昨年度実施した公共工事の指名競争入札で、指名業者の四二・九%が入札を辞退していたことが分かった。辞退率は五年前に比べて約一二倍に上昇。市は本年度から辞退業者に書類での理由説明を求めており、辞退率上昇の原因分析などに役立てる予定。(中国新聞5/4)

自治体政策情報

香美市火災警報機を配布

二〇一一年六月までに住宅用火災警報機設置が義務付けられるなか、高知県香美市は、煙感知方式で簡単に設置できる電池タイプの警報機を一世帯に一個配布する。

香南清掃組合水切りで焼却効率化

高知県南国、香南、香美の三市で組織する香南清掃組合が、生ゴミを圧縮して水分を押し出す水切り道具「押しの一手」を考案し、全世帯に無料配布する。直径一〇㌢㍍の丸板と棒のセットで、多くの三角コーナーの中心部や流し台の排水カバーに入る大きさ。

佐賀県・長崎県・熊本県身障者駐車証を三県共用

身体障害者用駐車場に関し、必要でない人の駐車防止に「利用証」を発行する制度を導入する佐賀、長崎、熊本三県が、県境を越えた障害者の移動を支援するため、相互利用の協定締結をめざす。

島根県道路の刈草を飼料に

多額の処分費がかかる道路脇や河川敷で刈り取った草を、飼料として畜産農家に無償提供する島根県のモデル事業実施地域が、松江、大田両圏域に決まり、今後提供を希望する畜産農家を募る。

姫島村妊婦健診完全無料化

妊婦健診の公費負担は、通常「基本項目」に限られ、血液検査や超音波検査などの費用は自己負担だが、大分県姫島村は自己負担分も今年四月にさかのぼり公費で負担し、妊婦の負担軽減を図る。産科・婦人科の無い離島の姫島から杵築市や宇佐市の産婦人科医院に通うための本人と付添者のフェリー運賃(往復八八〇円)を無料とする事業も今年四月から開始した。

伊勢崎市銘仙の市民保存調査

伝統産業である伊勢崎銘仙(伊勢崎絣)の歴史を記録するため、群馬県伊勢崎市は市民を対象に銘仙保存実態調査を行う。調査員四名を雇い、市民が保管している銘仙を写真データとして記録、種類や制作年代とともにデータベース化する。

秋田県「限界集落」全住民調査

秋田県は「限界集落」の全住民を対象とする初の実態調査に乗り出す。高齢者が半数を占める小規模集落を中心に、一〇〇以上の集落、計三〇〇〇~五〇〇〇人に実施する予定。県と市町村の職員らが集落を訪れ、直接話を聞く。調査内容は①仕事や買い物、通院といった一日、一年の生活②集落に住みたいと願う気持ち③集落の魅力や将来の姿―などを想定。子どもや孫の居住エリアも調べる。各集落の課題を分析して、集落の活性化策に生かす。

鹿沼市学校選択制度廃止へ

栃木県鹿沼市の「通学区域審議会」が、四月末の会合で選択制廃止の答申案にほぼ合意し、五年で延べ約七〇〇人が利用した制度だが、本年度で終了する見込みとなった。大きな問題として「小規模校の学区から大規模校へ通いたい」という子が大半でその逆が少ないことが挙げられた。

以上、月刊「住民と自治」2009年7月号より。

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