ローカルトピックス - 2009年9月
月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2009年9月号より。
九州各地路線バス増客へあの手この手
九州の路線バスの乗客減に歯止めがかからず、存続の危うい路線の赤字を補てんする自治体の補助金も右肩上がりとなっている。そのような逆境下、知恵を出し、路線の維持や乗客増に向けた対策もとられている。
大分県国東市では、お年寄りの自宅前まで迎えにくるコミュニティバス「おでかけ号」を市が運営している。従来の路線バスを減便して浮いた補助金等で導入し、地元住民との話し合いで決めた路線を走り、住民の評判も上々だ。
熊本市では、事業者間の調整が図られず、どの事業者も利用の多い市中心部から郊外へ向け放射状に路線を展開していたため、同じ路連を非効率に数珠つなぎで走ったり、どこへ行くにも中心部の交通センターまで行って乗り換えるしかなかったりする状況。そのようななか、市東部から南部の病院をつなぐ新路線の実証運行が九月に各事業者によって始められることとなった。(西日本新聞7/4)
京都市「子ども欲しくない」が約半数
京都市は、二〇一〇年度から五年間の新しい子育て支援計画を策定するために実施した「結婚と出産に関する意識調査」の結果をまとめた。昨年一二月に一八~三四歳の市民六五〇〇人を対象に実施し、二一四〇人から回答があった。回答者のうち、結婚していない人は一二五二人で、結婚しない理由(複数回答)は「結婚したい異性に巡り合えない」「結婚後の経済的な生活基盤に不安がある」が上位を占めた。また「子どもが欲しくない」は九七〇人に上り、その理由は「出産・育児などにお金がかかる」(四五・七%)、「育児と仕事の両立が困難」(二〇・二%)などとなった。子どもを持つために求める条件は「子育て・教育費の負担軽減措置」(四〇・四%)がトップだった。 (京都新聞7/6)
佐賀県内スクールSW半減
子どもの家庭環境の問題解決を社会福祉面からサポートするスクールソーシャルワーカー(SSW)の県内市町の配置人数が三〇人から一四人に激減した。国の補助が全額から三分の一に減額される一方、県が月一六日勤務の「常勤嘱託採用」という“身分統一”を行ったことで、時間勤務の非常勤を複数採用していた市町が多かったことから人材確保に足かせになった模様。白石町は昨年度、元教師一人を非常勤として採用。本年度も継続したが、他の仕事と兼務しているため月一六日勤務の条件をクリアできず、町予算約六〇万円を使う独自事業とせざるを得なかった。不登校の改善など成果が上がっているだけに、現場では戸惑いの声が上がっている。(佐賀新聞7/3)
長野県飯田下伊那地方飯田下伊那で定住自立圏協定
飯田市と下伊那郡一三町村は七月一四日、「定住自立圏」の形成協定に調印した。救急医療体制の確保や公共交通ネットワークの構築など一一項目で連携を図る協定書案を各市町村が議決。協定書締結は全国で初めてとなる。ただし、既に取り組んできた内容が大半となっている。一〇月までに協定内容の実施計画に当たる「圏域共生ビジョン」を策定する方針。(信濃毎日新聞7/9、15)
*一一項目=救急医療体制の確保、産科医療体制の確保、大規模災害医療救護体制の整備、圏域健康計画の策定、地場産業センターの運営等、鳥獣害防止総合対策、地域ぐるみによる環境関連活動、地域公共交通ネットワークの構築、地域情報共有システムの構築、にぎわい拠点の整備、人材育成等
岡山県内児童擁護施設職員離職深刻
岡山県内の児童擁護施設で、職員が精神的、肉体的な負担を理由に離職するケースが問題化している。川崎医療福祉大・短大の研究班のアンケート調査では、勤続五~七年目にかけて多くの職員が離職していることが推測されるという。この結果、経験豊富な職員が減り、勤続年数五年未満が全体の約半数で、一〇年以上は全体の二割ほどとなっている。県内の児童擁護施設などで組織する協議会のメンバーは「十分なケアをしようと思うと、どうしても負担が大きくなる。施設の子どもたちを支えるには人手と熱意が欠かせない」と環境整備を訴える。 (山陽新聞7/7)
長野県飯綱町スキー場、新運営会社で存続
飯綱町の「いいづなリゾートスキー場」を経営してきた第三セクター「飯綱リゾート開発」が特別清算するのを前に、同スキー場の運営を引き受ける会社を地元宿泊業者らが出資して設立することが決まった。町はこれまで県内外の複数の会社に事業譲渡を交渉したが、町からの財政支援がないこともあり、引受先は見つかっていなかった。町はスキー場経営に対し財政支援はしないが、町が所有するリフトなどの施設を無料で貸す。新会社内に、出資者とスキー学校のメンバーや関心のある住民、観光協会などを含めた「スキー場経営戦略会議」を設け、営業方針を詰める。(信濃毎日新聞7/10)
高知市編入町村に配慮無し
今後の財政再建策に理解を求めようと、高知市が市内各地で住民説明会を開催しているが、この五年間で編入合併した土佐山、鏡、春野の旧三町村は広大な面積に人口が拡散しているにもかかわらず、開催はそれぞれ一カ所だけとなっている。徒歩・自転車での来場を要請したため、さらに憤りの声もあがる。土佐山地区の説明会場から六㌔㍍離れた地区に住む住民は、「合併前、重要な説明会は村内一四地区で開催していた。市としてそこまでは無理にしても、地域の実情をもう少し知って欲しい」とこぼした。(高知新聞7/10)
茨城県高校生の基礎学力底上げ
茨城県教委は本年度から高校生の基礎学力向上を目的としたサポートプランをスタートさせた。二〇一一年度までの三年間で、県立高校二〇校を対象に学習支援員や非常勤講師を派遣し、基礎レベルの学習指導を徹底する。併せて参加各校が、生徒の授業態度改善も含めた効果的な学力向上策について知恵を出し合い、県立高校全体の学力底上げを図る。(茨城新聞7/7)
石川県内DVセンター設置ゼロ
昨年一月の配偶者暴力防止・被害者保護法(DV防止法)改正に伴い、全国の市町村に努力義務が課せられた配偶者暴力相談支援センター(DVセンター)の設置が石川県内でいまだゼロとなっている。専門知識を持つ職員配置の難しさが要因で、相談窓口を開設した市町すら四分の一にすぎない。内閣府の調査では全国的にも、センターの設置は全国一七九八市区町村のうち、札幌や名古屋、宇都宮、盛岡、岡山県倉敷市など一三市区にとどまっているという。 (北國新聞7/10)
「自治体政策情報
藤枝市製造業応援メルマガ
静岡県藤枝市は市内の製造業に対し、メールマガジン「がんばれ企業!」の配信を始めた。市の補助金制度などを掲載しているほか、同業者間を引き合わせるビジネスマッチングを仕掛けている。
埼玉県私立幼稚園保育所の芝生化助成
埼玉県は県内私立の全幼稚園・保育所を対象に、園庭の芝生化を後押しする助成制度を拡充する。一〇〇平方㍍規模で標準的な工事であれば持ち出しはない見込み。本年度は全体の約三分の一にあたる三〇〇カ所の芝生化を目指す。市町村立は今回の対象外で、県は市町村に推進を期待している。
川北町七五歳以上医療費無料
石川県川北町は来年一月から七五歳以上の住民ら後期高齢者医療保険制度の被保険者の医療費を町側が全額負担し無料化する。東京都日の出町に続く二例目。六五~七四歳の心身障害者も対象。
岐阜県定住ブラジル人調査
岐阜県は県内七市町の定住ブラジル人一五〇〇人を対象とした生活実態の調査に乗り出す。子育て環境や県の融資制度の評判を聞き、来年度予算に反映させる。調査委員には失業中のブラジル人を採用する。
佐賀県消費生活相談充実へ
多重債務や架空請求等消費者トラブルに対応するため、佐賀県は三年計画で新たに消費生活相談員一五人を養成する。市町の相談員配置を援助する制度も設け、二〇一一年度までに市は週五日、町は週二日開設できる体制を目指す。
島根県地元就職支援ツアー
島根県とふるさと島根定住財団が今夏、「地元就職支援ツアー」を開催する。夏休みの帰省を利用して企業を知ってもらい、県内就職につなげる狙い。景気動向が不透明な中で、地元に目を向ける学生と、人材獲得の好機ととらえる地元企業とのマッチングを後押しする。
鹿児島市市営住宅住み替え推進
鹿児島市は、市営住宅で広い住居に住む単身高齢者と、子どもの多い世帯との住居を入れ替えるなどして、間取りと居住者数のミスマッチ解消を図ることにした。
大分県特別支援学校環境改善
大分県は特別支援学校の設備改善に取り組み、生徒の増加により教室が不足していた養護学校四校で校舎を増築するほか、一〇校でグランドのほぼ全面に天然芝を整備する。また五校を対象に就労支援のため授業用のパソコンを計一一六台増設する。
石川県・金沢市竹害対策に航空機観測
竹林の拡大対策に、石川県と金沢市、国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットなどが、航空機観測技術を利用して竹林の分布状況を正確に把握する手法を開発した。
以上、月刊「住民と自治」2009年9月号より。