ローカルトピックス - 2010年1月

月刊「住民と自治」に掲載中の人気コーナー!2010年1月号より。

兵庫県佐用町豪雨で園児「赤ちゃん返り」

たつの市の児童家庭支援センター「すずらん」や佐用町の小児科医院、県臨床心理士会のボランティアらが9月中旬、豪雨災害に見舞われた佐用町の6保育所・幼稚園の3~5歳児の保護者を中心にアンケートを実施したところ(回答239人)、園児の40%に「赤ちゃん返り」と呼ばれる反応があった。回答者の64%が豪雨で何らかの被害を受けたが、その程度が大きかった世帯ほど、赤ちゃん返りや「独りでいること怖がる」「親から離れられない」「いらいらして怒りっぽくなっている」「よく眠れないようだ」などの反応が数多く現れた。グループは今後も園児の長期ケアに取り組むほか、県教委もスクールカウンセラーを拡充し小中学生に対応している。(神戸新聞11/10)

岩手県入院ベッド廃止に抵抗感

岩手県医療局が09年4月に始めた地域医療センターの無床化について、大半が入院ベッドの復活を望んでいることが、河北新報社が県民300人を対象に実施した電話アンケートで分かった。5つの診療センターが19床あった入院ベッドをなくし、夜間外来もやめたが、「やるべきではなかった」が34・0%と最多で、次いで「できればやらない方が良かった」が31・7%。「やむを得なかった」「当然の対応」はそれぞれ28・0%、4・0%で、抵抗感の根強さが鮮明になった。今後の対応についても入院ベッド復活を熱望する意見が9割を占めた。(中日新聞11/13)

北海道紋別市ほか病院の地元移管が難航

紋別市含む5市町村が09年4月に道に提案した、道立紋別病院の移管協議が難航している。同病院の年間10億円以上もの赤字が重荷になっていた道は「渡りに船」と交渉がスタートしたが、まもなく同床異夢が表面化した。同病院が08年4月に中止した2次救急患者の受け入れを再開できる新病院を建設する構想を地元が描いたのに対し、道は医師確保が厳しく再開は困難だと判断したため。道内部には他の地域の拠点病院と連携させる案もあるが、地元は2次救急機能を備えた中核病院建設にこだわっている。道の赤字補てん期間や病床数などについても意見が異なり、問題打開の糸口すら見えない状況にある。(北海道新聞11/3)

茨城県小学生の自転車通学実態調査

茨城町で、自転車で登校中の小学1年の女児が交通事故で死亡したことを受け、県教委が県内公立小学校の実態調査をした結果、自転車通学を認めている学校と児童は18市町村の47校、1417人だったことが分かった。ある小学校長は「自転車なら30分ほどだが、子どもの足では1時間半はかかる。午後4時下校だと、自宅に着くのは5時半。今の季節、街灯もない真っ暗な道を歩かせることはできない」と、自転車通学を認める理由に、通学距離の長さや不審者対策などの防犯面を挙げた。自転車通学をする児童は、幼稚園や保育園の年長組になると自転車乗りの“特訓”をするのが恒例。入学前の春休みには、親子で自転車に乗って通学路を確認するのが当たり前になっているという。(茨城新聞11/15)

栃木県義務的経費でない福祉バス廃止

栃木県は財政再建のため、障害者団体などに無料で貸し出してきた福祉バス2台を、新年度から廃止する。目標の384億円のほんの一部、年間1340万円の削減効果に過ぎないが、自由に外出出来ない障害者ほど落胆は大きい。県障害福祉課長は「福祉サービス費などの義務的経費以外に削ることの出来る、限られた事業だった」と説明する。(下野新聞11/4)

石川県宝達志水町バイオマス発電の副産物活用

宝達志水町で木質バイオマス発電所を運営する「いしかわグリーンパワー」などは、発電時に生成される木酢液(1日最大40㌔㍑)を活用した松枯れ対策に乗り出す。木酢液は殺虫効果があるとされ、松枯れ被害が広がる能登地区のゴルフ場で試験を開始する。(北國新聞11/7)

石川県内公共施設で進まぬ地デジ化

石川県内の小中学校など公共施設で、旧型テレビの地上デジタル放送への対応が遅れている。七尾市内小中学校には資産台帳上テレビが432台あるが、「予算の制約上かなり難しい」(子ども教育課)として、音楽室など特別教室のテレビから順次更新する予定という。羽咋市は本庁舎副市長室の1台以外は切り替えしておらず、他の公共施設もアナログのままで、財政事情が厳しく完全移行ぎりぎりに必要最低限の更新のみ行う予定という。ほかにケーブルテレビへの加入で対応し、テレビの買い換えを行わない自治体もある。(北國新聞11/3)

名古屋市戦争に触れる行事の後援外し

戦争や憲法9条に触れる市民の文化行事に対し、名古屋市と市教育委員会は08年から後援の名義使用を許可しなくなっている。「平和のための戦争展」「核兵器のない平和な世界を願うみどり区文化のつどい」など長年後援を得ていたものも不許可になった。市教委の担当者は政治的中立のため「戦争関係は断るのが基本姿勢だ」と話す一方、専門家は自治体が憲法を守り促進するのは当然で、できるだけ後援する姿勢で臨むべきと指摘する。(中日新聞11/7)

高松市全校生による気温実測

高松桜井高では、09年の夏休みに全校生徒714人が自宅前の外気温を測定し、うち660地点の温度を地図上に落とし、高松市の市街地を中心に高温域が広がるヒートアイランド現象を浮かび上がらせた。自宅に温度計を持ち帰り、決められた日の朝夕の計6回、一斉に測定し、データを集計した。「自転車での帰宅途中で涼しくなる地点があると感じていたが、それが確かめられた」と話す高校生もあった。調査を発案した鶴岡英作教頭は「人工衛星を使えば温度は簡単に測れる。でも、生徒1人ひとりが実際に温度計を持って測ることで、温暖化を実感するきっかけにしてほしかった」と話す。(四国新聞11/1)

香川県土庄町住民出資会社がバス事業継承

小豆島で唯一のバス路線を運行する小豆島バスが09年度限りで撤退することになったため、「島民の足は島民で守る」を経営理念に住民が出資して新バス会社「小豆島オリーブバス」を設立し、事業を継承する。資本金は住民1世帯あたり300円を各自治会が負担(計400万円)を負担する他、島内2町が500万円ずつ増資する方針。(山陽新聞11/6)

宮崎県日南市削減先行で技術力劣化

日南市で建設中の東九州自動車道の橋げたにひび割れが生じ、半年以上も工事が中断している。国土交通省九州地方整備局は、設計ミスが原因として業者側に責任を追及する構えだが、問題発覚前はこの設計を評価・表彰していた(発覚後取り消し)。専門家は「要員削減や団塊世代の定年が進んだことで公務技術を伝え培う土壌が失われた」「その結果、請け負うコンサルタントやゼネコンの技術者も同じように技術力が低下する問題も生じている」と指摘する。地元建設業者も「契約書に瑕疵担保責任を明記することで、国はチェック責任を業者に丸投げしている」と話す。(西日本新聞11/13)

大分県/沖縄県教育委員会の脱・形骸化へ

大分県教育委員会は、月2回開いている会議で、委員自身が議題を決め、自由に話し合う「教育委員自由討議」の時間を設ける。これまでは事務局が用意する議案を審議し可否を決めるだけだった。議論の中身は全て公開する。 沖縄県教育委員会は、県教育庁以外での初の移動会議を行った。会場の県南部合同庁舎には、一般参加者は1人にとどまったが、那覇事務所管内の市町村から15人の教育委員が参加し質問や意見を出した。(大分合同新聞11/8、琉球新報11/11)

山形県遊佐町町長退職金、今回だけ廃止

遊佐町長が、09年3月の初当選時に掲げた「退職金廃止」の公約を受け、同町が加盟する市町村職員退職手当組合は、同町長に退職金が支払われないようにするための関連条例を改正した。退職金は同組合の積立金から拠出するシステムで、町単独では決められないための措置。次期の遊佐町長には適用されない。特定の個人を対象にした条例の改正は「聞いたことがない」(全国市町村職員退職手当組合連合会事務局)という。(山形新聞11/12)

自治体政策情報

福井県左官登録制を創設

伝統的民家を次代に継承する一助にしようと、福井県はしっくい塗りなどの技法を有する左官の登録制度を創設、申請を受け付ける。登録者を県のホームページで紹介し、伝統的民家の所有者にも維持、修繕に役立ててもらう。

高松市保育所に「芸術士」

高松市は公私立の保育所へ「芸術士」と呼ばれる専門家を派遣する。イタリアのレッジョエミリア市に始まった取り組みを参考にした。運営はNPO法人に委託し、20~40代の彫刻や染色などの専門家8人を派遣する。

岩手県空き校舎などを特養に

岩手県は、学校の統廃合などで使われなくなった校舎などの自治体施設を賃借し、地域密着型の特別養護老人ホーム(定員29人以下)として活用する事業者に、施設改修費を補助する制度を導入する。増え続ける入所待機者の解消に即効性があると判断した。

紫波町介護者の声集め冊子に

岩手県紫波町地域包括支援センターは、家族を介護する町民の声を集めた小冊子『介護への想い~介護者からの短い手紙』を発行した。町広報などで募集し、34人の文章を匿名ですべて掲載した。

以上、月刊「住民と自治」2010年1月号より。

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