……いまや、新自由主義の風潮は、政治への無気力、無関心を助長させ、町の政治が遠い存在のような感じにさせている。それゆえ、住民の持つ権利を実質化していく営みは、決して容易なことではない。そんな時代状況のなかで、私たちの権利の仕組みとしての地方自治法をまっとうに駆使するためのチエとその論理を示してくれているガイドブックである。とくに、地方自治法の概説書がおびただしい数が刊行されているなかで、本書ほど具体的でわかりやすい類書はみあたらない点で、本書の刊行は、じつに大きな意味があると確信している。
(上田幸夫・日本体育大学教授)