月刊『住民と自治』 2024年8月号
特集 ストップ! 住民不在の神宮外苑再開発―100年の杜を守る

神宮外苑再開発によって、シンボルであるイチョウ並木の直近に野球場が建設され、第一期だけで3000本もの樹木が伐採されます。イチョウは400年以上の生命力の ある樹木です。外苑のイチョウは114歳。水循環を絶たれ、衰退・枯死に至り、貴重な歴史的文化的遺産が破壊されてしまいます。危機感をいだいた市民は、計画の見直しを求め、声を上げました。その声は、ますます高まり、広がっています。

神宮外苑再開発は、長い間、市民に親しまれてきた公園を潰して、そこに超高層ビルを建設し、公園を企業の稼ぐ場に変えようとする、市民不在の都市再開発事業です。

神宮外苑は都市計画公園であり、しかも風致地区なので、超高層ビルを建設することはできません。しかし、東京都は、「公園まちづくり制度」という独自の制度を創設し、都市計画公園の一部区域を公園区域から削除し、超高層ビル建設を可能にしたのです。

本特集は、神宮外苑再開発の問題点を徹底検証し、民主的なまちづくりのあり方を考えるものです。

書籍名 月刊『住民と自治』 2024年8月号
特集 特集 ストップ! 住民不在の神宮外苑再開発―100年の杜を守る
価格 ¥800(税込)
発行年月日 2024年7月15日
ISBN-10 4880377996
ISBN-13 9784880377995

目次

●特集●ストップ! 住民不在の神宮外苑再開発─100年の杜を守る

  • 「神宮外苑再開発問題」とは何か 岩見良太郎
  • 環境アセスメントからみる神宮外苑再開発 原科幸彦
  • 秩父宮ラグビー場と神宮球場を現在地で再生活用する提案 小林良雄
  • 「自治」の力で神宮外苑再開発問題に立ち向かう 大澤 暁
  • 憩いの場所ではもはやなくなってしまう神宮外苑、日比谷公園、葛西臨海水族園などなど… 原 和加子
  • 「神宮外苑再開発をとめ、自然と歴史・文化を守る東京都議会議員連盟」の取り組み 尾崎あや子
  • シリーズ 〈検証〉 2024年能登震災 第5回 「自治」の視点から広域避難所のあり方を問い直す 三和直人
  • 小さくても輝く町村づくりを学び、共に考える ─第28回全国小さくても輝く自治体フォーラム㏌木城町 木下 統/朝岡幸彦/水谷利亮/田開寛太郎/平岡和久/吉川貴夫
  • FOCUS 改正地方自治法は「政権の暴走への歯止め」との牧原出教授の見解の問題点 二瓶貴之
  • FOCUS 人口戦略会議「新増田レポート」を検証する 岡田知弘

●連載●

  • 汚された水ーPFASを追う 第6回 世界の潮流から取り残される日本のPFAS対策 諸永裕司
  • 暴走する大阪万博ー維新・政府の虚妄を斬る 第6回 夢洲を自然再興の実験地に 磯上慶子
  • 書評 内田聖子著『デジタル・デモクラシー ビッグ・テックを包囲するグローバル市民社会』 稲葉一将
  • 自治の風ー石川から 第3回  能登半島地震と臨時災害放送局の可能性 須藤春夫
  • 編集後記
    • 表紙写真 大坂 健
    • 目次カット 芝田英昭