【論文】会計年度任用職員のホンネ

  • 匿名
    (※本稿は、自治体当局との厳しい力関係に配慮し、筆者を守るためにあえて匿名での掲載を了解いたしました。)
  • 2023年6月17日
  • 月刊『住民と自治』 2023年4月号 より

  • ■会計年度任用職員として働いている図書館司書です。10年目になるので、新人の指導や新しい企画の提案などあらゆる業務を任されていますが、「あくまで1年契約なので、より良い人材がいれば入れ替える」と言われます。去年よりもさらに成果を出すように言われ、業務を増やし無給で残業をすることもあります。求められる仕事は10年目のベテランなのに、1年契約だからと給料が上がることもありません。将来への不安から副業を行い、心身のバランスを保つこと、二つの仕事を両立することで毎日がいっぱいいっぱいです。国家資格の専門職なのに、時給1000円が許されることも悲しいです。知識と教養を与える図書館は教育の根幹であり、ただ本のレンタルを行っているわけでは断じてありません。
  • ■一昨年まで市役所に10年以上勤務していましたが、そこでは会計年度任用職員の制度がスタートした時から「事務補助員で採用したから、正職員が減る中で職員の事務補助を頑張ってほしい」と言われてきました。今県の県民局でしている清掃や雑務はしていませんでした。ただ部内のポットのお湯については、日頃から外に出て業務をしている男子職員が多い部署だったため、頑張っている職員のために積極的に管理するように心がけていました。同じ業務でも今は全くやる気がおきません。非常勤職員をいないものとして扱い、他の職員には話すのに私には何も言わない、また連休などの中日にいつ誰が休暇を取るかなどの話し合いにも入れてもらえず、子どもの学校が休みの日に休暇を申し出たところ却下されました。意欲も低下しメンタルも落ち着かず、心療内科に通院しています。会計年度任用職員が一員として業務に励むことができる環境づくり、また当たり前のことですが正職員が会計年度任用職員に一人の人間として接する風潮を作ってほしいです。
  • ■県の会計年度任用職員として働いています。就労当初は1年単位の雇用で更新なし、とのことだったので割り切って働こうと思っていましたが、途中で制度が変わり、3年契約で雇用されています。現在勤めて5年目、仕事は好きですが、試験のたびにいつ落とされてもおかしくないという心配を抱えながら働くことが苦しいです。3年ごとに、働く「誇り」を消し去られてしまうような感覚でいます。
  • ■20年以上同じ自治体の学童保育で働いています。少しずつ時給は上がり、雇用保険の加入が認められ、待遇改善を期待したときもありましたが、あいかわらず社会保険の加入は認められません。会計年度任用職員となってからも、期末手当は出るものの社会保険加入にはならないため、扶養の範囲で働ける限度ギリギリの年収です。正規職員の中には、時給も上がって期末手当ももらってるからと、今まで以上の仕事量を求める方もいますが、時間を減らさないと扶養の範囲を超えてしまいます。さらに週の時間設定を少しずつ減らして、年休の時間を減らすことにしたようです。好きで続けていますが、続けていけるか不安しかありません。
  • ■私は、ある市役所の非常勤嘱託で採用され、よくわからないまま会計年度任用職員に移行されました。コロナ禍で契約条件にない業務や過酷な業務量を処理させられ、残業や昼休憩もとれない状態で心身共に疲弊し精神的にも限界の中、市民のために身を粉にして働きました。 課長と次長は残業代があることを知っていながら、未払いのまま合理的な理由もなく会計年度のルールだからと一方的に雇い止めを通告されました。 現在話し合い中ですが、こういう不当な扱いを受けている実態があることをなんとか世間にわかってもらう方法はないでしょうか。
  • ■2022年4月から会計年度任用職員に採用され勤務しております。民間企業で正社員として勤めておりましたが、退職後、希望するフルタイムに近い勤務ができるということで、7時間の事務補助パートに応募しました。初めての市役所での仕事に戸惑いながら、予算で出されている名目とは違い公用車の掃除など事務補助とは関係のない雑用もやることを知り、びっくりしてしまいました。民間企業では全て自分でやる仕事も、すぐこちらへまわしてよこし、正職員達は世間話や、不要な離席を30分ごとにし10分も戻ってこない。それを見て見ぬふりする上司。上司自らタバコを吸いに離席している。それでも給料は、私達会計年度任用職員より何倍もあり待遇も手厚くされています。しかも定年後に再任用された方は、少しの仕事だけで後は机にただ座っている。公務員の仕事は、今まで大変なんだなと思っていましたが、愕然としました。
  • ■役所の臨時職員として勤務していた6年前、主人の扶養から抜けて自分で社会保険をかける制度に変わったので、それを使い産後育児休暇を取得しました。3年前、病気による手術、入院、療養のさいは傷病手当も支給されました。 会計年度任用職員制度が導入されたら、そういうのは無給なんですね。 就学前の子供の看護休暇も無給でした。退職金もありません。 ボーナスが出るからと時給は減らされ、結局年収は変わらず。 他にはなんの手当もない。何十年働いても昨日入ってきた人と同じ待遇。 どうせならお互いもう少し気持ちの良い制度にはならないものでしょうか。
  • ■ある市で会計年度任用職員として働いている者です。 学校図書館支援センターの役割を務めているので、雇用のされ方が司書と同じです。なので、夏休み期間はいったん任用が切られます。つまり勤続年数がずっと1年目のままで年休も増えません。 おまけに育児休暇の取得もできない雰囲気です。現在私には1歳半の息子がいます。このまま年休が増えないと、息子が保育所を休んだときに年休をすぐに使い切ってしまうので、あとは欠勤扱いにしかならずお給料はカット、生活にも支障が出ます。いつかは2人目の子どもも欲しいけれど、育児休暇が取れないなら今の仕事を辞めるしかありません。 本当は長く勤めたいし、ようやく見つけた楽しいお仕事なのに、悔しい思いでいっぱいです。
  • ■障害者雇用の会計年度任用職員2年目です。 とても働きにくく、賃金の説明等も充分になされたことはありません。1年で、部署異動になってしまった上に勤務時間の配慮もなくなりました。 その上、人事担当者から示された時給換算は最低賃金を下回る金額でした。障害者雇用を4名にしたことで、(5名以上なら義務付けられる)障害者職業生活相談員もいません。 民間ならまだしも、行政がそのような状況を作っているのは理に適いません。
  • ■この1年間さまざまな給付金関連の仕事を請け負った会社の下で市役所内で働いてきました。その働きを評価され、会計年度任用職員として働きませんか?と直接声がかり、4月からフルタイムで働くことが決まりました。そのなかで不思議だなと思うことがあります。外注(仕事を入札によって外にお願いする)だと高時給で働けるのに、直雇用になると東京都の最低賃金に少し(8円)色がついた時給なのはなぜでしょうか? 仕事の内容を聞く限り、会計年度任用職員のほうがはるかに多岐にわたり覚えて対応する内容が多いにも関わらず、予算が限られているから低いんですと言われました。また、派遣登録している求人サイトを見たら、同じ市役所から求人が出ており、時給が400円も上でした。交通費をなるべく出さないために地元の方優先採用、職員は車通勤可能で会計年度任用職員はダメ、食堂の利用も人数が入らないからと正規職員のみ(周囲に飲食店なし、自席は兼用のため使えず休憩室もなし。市民がいるロビーで昼食、休憩をとっている)など疑問ばかりです。これでは働く気持ちも残念ながら失せます。
  • 匿名
    (※本稿は、自治体当局との厳しい力関係に配慮し、筆者を守るためにあえて匿名での掲載を了解いたしました。)