社会保障法 権利としての社会保障の再構築に向けて

    書籍名 社会保障法 権利としての社会保障の再構築に向けて
    著者名等 伊藤 周平 (著)
    価格 ¥3,520(税込)
    発行年月日: 2021年1月29日
    ISBN-10 488037721X
    ISBN-13 9784880377216
    C-CODE C0036
    ページ数 462ページ
    本のサイズ A5

書籍の内容

社会保障の削減が進む現在、生存権侵害という観点から社会保障のあり方を追究する。

社会保障の削減が進む現在、生存権侵害という観点から社会保障のあり方を追究する。章ごとにひとつのテーマ、公的扶助(生活保護)、年金、社会手当、医療保障、労働保険、社会福祉を取り上げ、憲法との関係から現状の不備を検証する。社会保障法の全体像をとらえた最新、最適なテキストにとどまらず、暮らしを社会保障から見直そうする人たち必携の一冊。事項・判例索引完備。

目次

  • はじめに
  • 略語一覧
  • 第1章 社会保障法総論─社会保障の法体系と社会保障の権利

    第1節 社会保障の概念と法体系

    • 1 社会保障の生成と発展
    • 2 社会保障の定義と内容
    • 3 社会保障法の概念と体系
    • 4 社会保障の主要制度と社会保障立法の概要

    第2節 社会保障法と憲法

    • 1 生存権思想の展開と憲法25条
    • 2 憲法学での生存権論の展開と裁量統制の法理
    • 3 外国人と社会保障
    • 4 社会保障法と平等原則(憲法14条)
    • 5 社会保障法と租税法律主義(憲法84条)
    • 6 社会保障法と憲法13条、29条、89条後段

    第3節 社会保障の権利

    • 1 社会保障の権利の意義と内容
    • 2 社会保障受給権
    • 3 申請権と手続的権利
    • 4 処遇過程の権利と自己決定権
    • 5 健康権
    • 6 当事者の参加の権利
    • 7 免除権
    • 8 争訟権

    第2章 公的扶助(生活保護)

    第1節 生活保護の沿革と現状

    • 1 公的扶助の沿革と生活保護法
    • 2 生活保護の現状

    第2節 生活保護法の基本原則と適用

    • 1 生活保護法の目的
    • 2 無差別平等原則
    • 3 保護の補足性原則
    • 4 必要即応の原則と世帯単位の原則

    第3節 保護基準

    • 1 保護基準の設定
    • 2 保護基準の引き下げとその問題点
    • 3 保護基準と行政裁量

    第4節 生活保護法の種類と方法、実施過程

    • 1 生活保護の種類
    • 2 保護の方法
    • 3 保護の実施過程

    第5節 生活保護制度改革と生活困窮者の支援

    • 1 生活保護制度改革の動向
    • 2 生活困窮者自立支援法の概要
    • 3 生活困窮者自立支援法の改正と課題

    第6節 生活保護法と生活困窮者支援の課題

    • 1 権利救済の課題
    • 2 生活保護法の課題
    • 3 新型コロナの感染拡大による生活困窮の拡大と今後の課題

    第3章 年 金

    第1節 公的年金制度の沿革と概要

    • 1 公的年金制度の沿革
    • 2 公的年金制度の概要
    • 3 任意加入の年金制度

    第2節 公的年金の適用と特徴

    • 1 公的年金の適用
    • 2 公的年金制度の目的と特徴

    第3節 年金給付と年金受給権・給付水準

    • 1 年金給付
    • 2 年金受給権の構造
    • 3 年金給付水準

    第4節 年金財政と年金保険料

    • 1 賦課方式と積立方式
    • 2 年金保険料
    • 3 年金積立金の運用
    • 4 不服申立てと行政訴訟

    第5節 年金制度改革の動向と財政検証

    • 1 年金制度改革の動向
    • 2 2019年財政検証とその問題点
    • 3 基礎年金の最低保障機能の喪失、高齢者のさらなる貧困化
    • 4 年金制度改革のゆくえ

    第6節 年金保険の課題

    • 1 年金保険の現状と課題
    • 2 最低保障年金の構想と課題
    • 3 年金引き下げ違憲訴訟の意義と今後の課題

    第4章 社会手当

    第1節 社会手当の意義と特徴

    • 1 社会手当の意義と沿革
    • 2 日本の社会手当の沿革と特徴

    第2節 社会手当の概要と問題点

    • 1 児童手当
    • 2 児童扶養手当
    • 3 特別児童扶養手当と特別障害給付金
    • 4 社会手当受給権をめぐる問題

    第3節 社会手当の課題

    • 1 制度設計と費用負担の課題
    • 2 普遍的社会手当に向けて

    第5章 医療保障

    第1節 医療保障法の沿革と法体系

    • 1 医療保障の沿革
    • 2 医療保障の法体系

    第2節 医療提供体制

    • 1 医療提供施設と医療従事者
    • 2 医療施設の設置と開設許可・指定制度
    • 3 医療計画と病床規制

    第3節 医療保険

    • 1 医療保険の被保険者と適用
    • 2 保険給付
    • 3 保険医療機関と診療報酬制度
    • 4 混合診療をめぐる問題

    第4節 医療保険財政と保険料

    • 1 医療保険の財源と運営方式
    • 2 健康保険の保険料
    • 3 国民健康保険の保険料
    • 4 公費負担

    第5節 高齢者医療

    • 1 後期高齢者医療制度
    • 2 前期高齢者の財政調整制度
    • 3 医療費適正化計画と特定健診・特定保健指導

    第6節 公費負担医療と公衆衛生

    • 1 公費負担医療
    • 2 公衆衛生

    第7節 医療政策と医療制度改革の展開

    • 1 医療提供体制の改革と病床削減
    • 2 医療保険制度改革の展開

    第8節 医療保障の課題

    • 1 新型コロナウイルスの感染拡大と医療崩壊の危機
    • 2 医療提供体制の課題
    • 3 医療保険の課題

    第6章 労働保険

    第1節 労働保険の沿革と概要

    • 1 労災保険制度の沿革と展開
    • 2 雇用保険制度の沿革と展開
    • 3 労働保険関係の成立・消滅と適用事業
    • 4 労働保険における労働者・被保険者
    • 5 労働保険の保険料

    第2節 労災保険の業務災害等の認定

    • 1 業務災害の認定
    • 2 過労死・過労自殺の業務上認定
    • 3 通勤災害の認定

    第3節 労災保険の給付と社会復帰促進等事業

    • 1 労災保険給付の概要
    • 2 労災保険給付の内容
    • 3 社会復帰促進等事業と特別支給金
    • 4 労働災害と損害賠償

    第4節 雇用保険の給付

    • 1 求職者給付
    • 2 就職促進給付および教育訓練給付
    • 3 雇用継続給付
    • 4 育児休業給付

    第5節 雇用保険事業と求職者支援制度

    • 1 雇用保険事業
    • 2 求職者支援制度

    第6節 労働保険をめぐる現状と課題

    • 1 労災と失業の現状
    • 2 「働き方改革」と長時間労働の規制
    • 3 労働保険の課題

    第7章 社会福祉

    第1節 社会福祉法制総説

    • 1 社会福祉法制の展開と措置制度
    • 2 社会福祉の給付方式とサービス利用関係
    • 3 社会福祉法
    • 4 社会福祉の実施体制と業務従事者

    第2節 高齢者福祉と介護保険法

    • 1 高齢者福祉施策の展開と介護保険法の成立
    • 2 介護保険法の概要
    • 3 介護保険の給付構造とその問題点
    • 4 介護保険の財政構造と介護保険料
    • 5 介護保険制度改革の動向
    • 6 介護保険法と高齢者福祉の課題

    第3節 児童福祉の法─児童福祉法と子ども・子育て支援法

    • 1 児童福祉法の目的と理念
    • 2 保育制度改革の展開と少子化対策
    • 3 子ども・子育て支援新制度の構造と法的問題
    • 4 障害児に対する給付と要保護児童に対する措置、児童虐待防止法
    • 5 児童福祉法の行政組織と児童福祉施設
    • 6 児童福祉の裁判例
    • 7 児童福祉の課題

    第4節 障害者福祉・雇用の法

    • 1 障害者福祉・雇用の法の沿革と基本理念
    • 2 障害者福祉改革の展開
    • 3 障害者総合支援法の構造と諸問題
    • 4 障害者福祉各法
    • 5 障害者雇用促進法
    • 6 障害者福祉・雇用の現状と課題

    第5節 母子・父子・寡婦福祉の法

    • 1 母子・父子・寡婦福祉の沿革
    • 2 母子・父子家庭等に対する福祉の措置など

    第6節 利用者の権利保障の仕組み

    • 1 成年後見制度と福祉サービス利用援助事業
    • 2 サービス提供にかかる情報提供、苦情解決
    • 3 手続的保障
    • 4 行政訴訟
    • 5 債務不履行・不法行為責任

    第8章 社会保障の法政策と社会保障法の課題

    第1節 社会保険の変容と社会保険の法政策的課題

    • 1 社会保険の制度変容と社会保障改革による「保険主義」の強化
    • 2 受給権保障からみた社会保険の法政策的課題
    • 3 免除権保障からみた社会保険の法政策的課題

    第2節 社会福祉の変容と社会福祉・生活保護の法政策的課題

    • 1 社会福祉の変容と課題─個人給付化と福祉の市場化
    • 2 受給権保障からみた社会福祉の法政策的課題
    • 3 手続き的保障・処遇過程の権利保障からみた社会福祉・生活保護の政策的課題
    • 4 参加権保障からみた社会福祉・生活保護の法政策的課題
    • 5 免除権保障からみた社会福祉の法政策的課題
    • 6 訴訟権保障からみた社会福祉・生活保護の法政策的課題

    第3節 社会保障法の課題

    • 1 社会保障法理論における権利の相対化
    • 2 「社会保険主義」とその問題点
    • 3 「財政至上主義」の問題点と社会保障の財源問題
    • 4 裁量統制と権利論の可能性
    • あとがき
    • 事項索引
    • 判例索引