全世代型社会保障改革とは何か

国民健康保険と医療政策のゆくえ

    全世代型社会保障改革とは何か
    書籍名 全世代型社会保障改革とは何か
    著者名等 長友 薫輝 (著)
    価格 ¥1,430(税込)
    発行年月日: 2025年3月25日
    ISBN-10 4868260049
    ISBN-13 9784868260042
    C-CODE C0036
    ページ数 122ページ
    本のサイズ A5

書籍の内容

保険料負担増・窓口負担増…「改革」は何を目指す?

現在、全世代型社会保障改革の一環として、医療は給付抑制および削減、保険料の負担増を含む政策展開がなされている。具体的には国民健康保険(国保)や後期高齢者医療制度における保険料負担増、窓口負担増などを企図、さらにデジタル化による医療機関の縮小・効率化、公的医療保険料を上乗せする形で子ども・子育て支援金の捻出など推し進めようとしている。本書は全世代型社会保障改革により、現状はどのようなものになりつつあるのかを概括し、どのように対峙するかを提示する。

目次

はじめに

第Ⅰ章 全世代型社会保障改革による国保への影響

  1. 労働力確保を主眼とする全世代型社会保障改革による国保への影響
  2. 被用者保険の適用拡大と搾取・収奪の仕組み
  3. 自民党「人生100年時代戦略本部取りまとめ」と全世代型社会保障改革
  4. 「自助の共同化」=社会保険ではない
  5. 「勤労者皆保険の実現」とは
  6. 全世代型社会保障構築会議「中間の整理」
  7. 財務制度等審議会財政分科会「建議」

第Ⅱ章 保険者機能強化と「国保改革」

  1. 全世代型社会保障改革と医療提供体制
  2. 「国保運営方針」の改定と保険者機能の強化
  3. 保険者機能の発揮・強化
  4. 保険者機能強化と国保改革
  5. 都道府県のガバナンス強化による公的医療費抑制
  6. 医療費適正化計画の推進

第Ⅲ章「保険料水準の統一」をめぐる動向

  1. 国保の「保険料水準の統一」に向けて
  2. 都道府県が財政責任の運営主体
  3. 「ガイドライン」行政の展開
  4. 国保運営方針と「保険料水準の統一」
  5. 「保険料水準の統一」の具体的な内容
  6. 「完全統一」の諸条件
  7. 保険料水準「完全統一」に向けたスケジュール
  8. 都道府県の対応例
  9. 国保の被保険者数の減少
  10. 納付金の算定と保険料

第Ⅳ章 全世代型社会保障改革による高齢者の医療保障、高額医療費自己負担上限見直し

  1. 国際的な高齢者人権保障条約の制定に向けた動向から
  2. 全世代型社会保障改革による高齢者の負担増、給付削減
  3. 全世代型社会保障改革における後期高齢者医療制度の自己負担増計画
  4. 高齢期の方々の生活への影響
  5. 後期高齢者医療制度のさらなる自己負担増の検討
  6. 高齢者優遇論と分断
  7. 高額療養費制度の自己負担上限額の見直し

第Ⅴ章 全世代型社会保障改革と医療のデジタル化

  1. コロナ禍での医療をめぐる動向
  2. デジタル化による統制強化と医療改革
  3. 医療改革の具体的内容
  4. 医療保障におけるデジタル化の推進
  5. 現行保険証の新規発行停止に際して
  6. 後景におかれる健康権保障、皆保険体制の充実
  7. 優先されるマイナ保険証への一本化
  8. 健康情報等の権利保障の実現に向けて
  9. マイナ保険証にとどまらない情報収載

第Ⅵ章 全世代型社会保障改革と子ども・子育て支援金創設

  1. 子ども・子育て支援金とは
  2. 「子ども・子育て支援加速化プラン」による財源確保
  3. 公的医療保険料に上乗せして徴収する合理的理由の欠如
  4. 社会保険の2つの側面

第Ⅶ章 全世代型社会保障改革と生活保護

  1. 生活保護の医療扶助を国保等へ移管検討
  2. 公的医療保険の二極化と劣等処遇の懸念
  3. 生活保護の医療扶助の分析

おわりに