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国家安全保障と地方自治 「安保三文書」の具体化ですすむ大軍拡政策
書籍名
国家安全保障と地方自治 「安保三文書」の具体化ですすむ大軍拡政策
著者名等
井原 聰
,
川瀬 光義
,
小山 大介
,
白藤 博行
,
永山 茂樹
,
前田 定孝
(著)
価格
¥1,980
(税込)
発行年月日:
2023年11月15日
ISBN-10
4880377570
ISBN-13
9784880377575
C-CODE
C0031
ページ数
190ページ
本のサイズ
A5
ネット書店
書籍の内容
「防衛産業強化法」「経済安保法」「防衛財源確保法」など「安保(国防)三文書」を具体化する政策が次々と強行され、「戦争する国」への準備がすすむ。南西諸島をはじめとする地域や自治体への基地強化策も進行する。本書は、これら政策の内容を憲法と地方自治法の視点から検討し、国民の命と生活を根源的に脅かす「戦争する国」づくりの問題点を問う。
目次
第1 章 国防三文書とその批判的検討 …………………………
永山 茂樹
はじめに─三文書とその改定
1 三文書の基調
(1) 国民の安全の等閑視
(2) 憲法の敵視
(3) 民主的・議会主義的手続の無視
2 だれが三文書改定を推し進めたのか
(1) 軍事色をつよめる与野党
(2) アメリカの対中戦略
(3) 軍需に期待をかける財界
3 「戦争をする国」の軍事力
(1) これまでの敵基地攻撃否認論
(2) 敵基地攻撃容認論への転換
(3) 敵基地攻撃容認論の危険性
(4) 南西諸島における日米共同軍事行動
4 「戦争をする国」の社会
(1) 大軍拡と社会全体の貧困化
(2) 敵基地攻撃と平和的生存権
(3) 戦争をするための国民動員─イデオロギー統制と自治の否定
5 改定三文書と憲法の危機
(1) 実質改憲としての改定三文書
(2) 改定三文書に続く明文改憲
「国家安全保障と地方自治」
第2 章 インド・太平洋地域における安全保障と経済秩序 ……………………………………………………
小山 大介
1 世界経済情勢の変容とインド・太平洋地域
(1) 不安定化するインド・太平洋地域
(2) 「地球は丸い」─連動する世界経済情勢
(3) 揺らぐ日本の「平和」
2 世界経済秩序の「ゆらぎ」とその背景─経済のグローバル化
(1) 現代世界経済秩序の構築─西側主導の通商関係
(2) 冷戦構造の崩壊と経済のグローバル化
(3) 世界経済力学の変容─新興国の台頭
(4) 軍備拡大に振り向けられる経済力
3 歪んだ米中対立と世界の分断の実態
(1) グローバル化のなかでの「歪んだ」米中対立
(2) 対立の火種はグローバル化と経済成長の終焉─深まる国内経済格差
(3) 長期化する米中対立
(4) 米中の狭間に立たされる日本
おわりに ─ インド・太平洋地域における危機を診る
第3 章 経済安全保障法とその批判的検討 …………………
井原 聰
1 経済安保法の枠組み─緊張を高める「守り」と「攻め」
(1) サプライチェーンの多元化・強靭化
(2) 基幹インフラの供給・確保
(3) 技術基盤─特定重要技術
(4) 特許非公開
2 特定重要技術開発研究
(1) 特定重要技術の正体
(2) はじまったK Program の公募・採択
(3) 研究協議会・シンクタンクの役割と問題点
3 セキュリティ・クリアランス(SC)と特定秘密保護法
(1) SC 制度の狙い
(2) 米国のSC 制度について
(3) 日本版SC 制度─特定秘密保護法
4 SC 有識者会議の議論の特徴
(1) 米国のSC 制度を順守せよ
(2) SC 制度設計の基本論点
(3) 研究者の軍事研究施設への移籍
(4) 制度設計の留意点
(5) 「中間論点整理」
5 学術研究体制変質の危機
(1) 進む研究環境の監視体制づくり
(2) 日本の学術研究体制の変質の恐れ
おわりに
第4 章 国家が軍事産業を育成・強化する「防衛産業強化法」と国家機密の拡大 ……………………………………………
前田 定孝
1 防衛産業強化法とは
(1) 制定された法律の概要
(2) 立法の経緯
2 「軍事産業基盤強化法」の法制度としての特徴
(1) 基幹産業としての軍事産業の安定的な育成
(2) 「防衛産業育成」という性格にともなう本法の特徴
第5 章 防衛費(軍事費)膨張と財政民主主義の破壊 ……………………………………
川瀬 光義
1 戦後日本の防衛予算と防衛(軍事)力
(1) 防衛予算の沿革
(2) 日本の防衛(軍事)力の到達点
2 第二次安倍政権下における防衛費優遇ぶり
(1) 防衛予算の基本的仕組み
(2) アメリカ製兵器大量取得による硬直化
(3) 沖縄差別継続のための別枠予算
3 安保三文書による軍拡予算
(1) 23 年度防衛関係費と財源確保法
(2) 琉球弧の軍事要塞化をもたらす軍拡政策
第6 章 国家安全保障と地方自治 ………………………………
白藤 博行
はじめに─岸田首相の軍事大国化への目線
1 「国家安全保障戦略」の勘所
(1) 「安保法制」の更新としての「国防三文書」
(2) 「22 年安保戦略」の要点
2 「22 年安保戦略」と沖縄問題
(1) 「22 年安保戦略」と辺野古訴訟
(2) 「22 年安保戦略」と沖縄の軍事要塞化・南西諸島の軍事列島化
3 「22 年安保戦略」と第33 次地方制度調査会の「非平時」論
(1) 第33 次地制調における「非平時」に関わる議論
(2) 「非平時」論についての若干の検討
おわりに ─ 日本国憲法の平和主義への目線
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月刊『住民と自治』
2024年10月号
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