自治研運動――この運動の実践が始まって、今年は69年目。今『住民と自治』を読んでおられる皆さんにこの運動の大切さが伝えられているでしょうか。
1945年終戦。翌年11月3日に公布された憲法のもとで、国の下請け機関とされていた地方自治体は、国と対等の立場となりました。一方で、戦後すぐ、住民の暮らしを支え、焼け野原となったまちの復興、さらには戦後の民主化で、地方自治体の仕事が山積することとなりました。
しかし財政制度が追いつかず、たちまち自治体財政は破綻、住民のための財政支出ができず、自治体職員の賃金もまともに払えませんでした。そんな中、当時の自治体労働組合は、「地方自治とは」「地方行財政はどうあるべきか」を題材に、研究者の力を借りて、1957年に第1回の「自治研集会」を開催、これが自治研運動の始まりとされています。
その後日本は「高度経済成長」に突入。人口集中や都市インフラの整備、公害問題など、そのひずみが地域で現れる中、自治研運動は、地方自治体を住民のいのちと権利の守り手に変える運動と結びついて大きく発展し、1960年代後半以降、革新自治体づくりやその発展を全国に広げる契機となりました。
一方で、この運動の当初の担い手であった自治体労働組合の中では、自治研運動を労働組合運動のワクに収めるのか、それとも広く国民的な運動にしていくのかで、意見の相違が生まれていました。しかし、よく考えてみると、自治体のありようや、暮らしを支える制度をつくる取り組みは、労働組合だけでは無理です。主権者である住民と力を合わせて一緒に運動しないとできません。
この運動を国民的な運動に発展させるために、自治体労働組合や研究者にとどまらず、地方議員などの自治体関係者や地域住民が参加する会員組織として、自治体問題研究所が1963年に設立されました。自治体問題研究所が存在したからこそ、住民の暮らしや地方自治体のあり方に関わる学習や研究、要求運動が進められ、住民本位の自治体が全国に広がるとともに、多くの住民が、「政治が変れば暮らしが変わる」ことを経験したのです。
今また、自民・維新をはじめとする「改憲連合」のもとで、日本を戦争する国にすることや、地方自治体にそのための地方での条件整備の役割を担わせる動きが強まっています。そして膨張する「防衛関連」費用の捻出のため、住民の日々の暮らしや権利を支えるさまざまな制度や政策が削られています。
こんな時だからこそ、主権者である住民の意思に基づく政治や行政のあり方について、地方から発信するときではないでしょうか。そして今、その取り組みは全国で始まっています。
そのために、自治体問題研究所の会員や『住民と自治』の読者を増やしましょう。住民自治と地方自治を発展させる、地域や分野での実践を作りだし、交流し、学びあいましょう。そして、今年7月11日-12日開催の「第68回自治体学校 in 大阪」に集まりましょう。
また、大阪自治体問題研究所編集、自治体研究社発行のブックレット『今こそ地方自治を住民の手に』で、自治研運動に当初から関わってこられた大阪市立大学名誉教授の宮本憲一先生が正確にわかりやすく語っておられます。このブックレットを活用し、自治研運動そのものの学習も進めましょう。
