公有財産の民間譲渡はこれでいいのか
新潟・津南町「ニューグリーンピア津南」をめぐって

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新潟県津南町つなんまちのグリーンピアは、かつて全国13カ所に建設された「グリーンピア」(大規模年金保養基地)で最大規模(敷地379ヘクタール、宿泊定員613人)です。いま、この町有財産である「ニューグリーンピア津南」の民間譲渡をめぐって津南町当局は大混乱しています。

「グリーンピア構想」は、1972年、田中角栄内閣の日本列島改造論に促され具体化し、1981年から1988年の間に全国13カ所に建設されました。1991年にバブルが崩壊。2001年12月、グリーンピアを管理運営する「年金資金運用基金」は、赤字のグリーンピアを「早期に廃止する」と決定し、小泉純一郎首相(当時)は「売却価格が安くてもすべて廃止処分」と国会で答弁。13カ所全てが立地自治体等へ譲渡されました。津南町もその一つです。

直近の10年間、ニューグリーンピア津南(以下、グリーンピア)を運営してきた地元の株式会社は8億数千万円の負債を抱え、町からの助成がなければこれ以上運営できないとして昨年9月末で賃貸契約を終了しました。

当初、町は「今後のニューグリーンピア津南の再生に向けた町の考え方」として、①施設の廃止、②現状のまま町有地として賃貸借とする、③建物は売却し、土地は賃貸借とする、④建物・土地とも売却する、の四つの選択肢を提示していました。

町長は「建物、土地すべてを民間譲渡する」を選択して不動産会社と随意契約し、これまでに不動産業者への業務委託料7550万円、町の顧問弁護士への700万円の委託料を予算化し進めています。不動産会社との随意契約はその適否をめぐって議会で質されていますが平行線です。

不動産会社は40社に物件を案内。購入意向書はA社とB社の2社から提出されましたが、町議会には購入意向書の概要を配布・説明したのみで、町は優先交渉権をA社に決定しました。

大規模な町有財産の処分にしては、あまりにも住民への情報提供が少なく、公開を求める要望書が町長に提出されました。

こうした町民世論に押され、町は2025年8月末から9月初旬にかけて住民への説明会を16会場で開催し、参加者は延べ574人にのぼりました。説明会では、A社の経営状況や外資系であることへの不安、グリーンピアの従業員150人の再雇用問題、グリーンピアの広大な土地(日本有数の河岸段丘の最上段にあり、下流域には田畑が広がり集落が点在している)の民間譲渡による地下水等への影響を心配する声が強く出されました。

昨年10月には、売却に向けた基本協定書が議会にも住民にも示されないまま締結されようとしましたが、住民の要請により直前に公開されました。協定書は、住民説明会で出された地下水保全対策などの確約もなく、また土地の転売も否定しない内容で、締結しないよう再度の要請書が住民から提出されましたが、町はA社と基本協定書を締結しました。

協定書締結後にようやくA社、B社の購入意向書の全文が議員に配布されましたが、5月初めに町に提出されてから半年がたっていました。町有財産の処分=民間譲渡にあたり節目節目での情報が議会にすら提供されず、議員の再三の要請にも「情報公開請求で資料請求するように」という対応だといいます。

以上が、グリーンピアの民間譲渡の経過です。公有財産の処分のあり方、進め方としてこれでいいのでしょうか? 各地の事例の情報交換の場が必要だと考えています。

桑原 加代子

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